日本の小郷産業という会社が、GPS(Global Positioning System)通信端末機が装着されたブレザースタイルの通学服の販売を開始した。これは、親がパソコンを使って自分の子供が今どこにいるかを監視することができるようにするものだ。さらにこの通学服には「異常通報ボタン」が付いていて、子供が危険な状況に陥ったときにこのボタンを押すと警備会社が駆けつけるようになっている。
この技術が意味することを考えてみた。
子供を持つ親として言えば、これは非常にいいアイデアだ。しかし、子供たちにしてみれば、特に年齢が上の子供たちは、ここまで親に監視されるのはいやがるだろう。そのうちに子供相手の「運び屋」商売が繁盛する様子が目に浮かぶ。こういう運び屋は、お金をもらって子供の通学服を着て、博物館、図書館、お寺などの「行ってもいい場所」に出入りする。その間、服の持ち主本人たちは、もっと道徳的に良くない、もっと楽しい場所にたむろするのだ(運び屋は通学服を何着も着ているからすぐ分かる)。
ただし、(子供の頃いじめられる側だった人間としては)異常通報ボタンはかなりいいアイデアだと思う。特に小さい子供にとっては非常にクールな機能だ。ボタンを押せば、自分専用のターミネーターが駆けつけてくれるなんて、これを6歳の男の子が嫌がるはずがないではないか!