IBMのWatson Groupが、オーストラリアの新興企業Cogneaを買収した。Cogneaは銀行のコールセンターなどの法人顧客向けのバーチャルアシスタントを開発している。
IBMは米国時間5月19日、ブログ投稿で買収を発表するとともに、自然言語を理解するマシンと人間が会話する「コグニティブコンピューティングの時代」にWatson Platformがどう適応するかを説明している。
IBMは2014年に新設したWatson Groupの取り組みを通じて、Watsonの商用化に取り組んでいる。同社はWatson Groupに10億ドルを投資するとともに、同部門の本部をニューヨークのシリコンアレーに置いている。
IBM Watson GroupのシニアバイスプレジデントMichael Rhodin氏はCogneaを買収した理由について、「スーツを着たフォーマルな雰囲気から、隣の家の子供のようなフレンドリーな雰囲気」に至るまでのさまざまな人格をWatsonに持たせるためだと述べている。
「ユーザーの性格を理解させ、より深い設定の人格を創り出すことにフォーカスすることにより、今日の『おしゃべりする』スマートフォンをはるかに凌ぐ新しいレベルのインタラクションが創造できると信じている。共同創業者のLiesl Capper氏とJohn Zakos氏をはじめ、ほかのCogneaチームのメンバーをIBMに歓迎する」(Rhodin氏)
Cogneaの主力製品は、高IQのバーチャルエージェント「MyCyberTwin」と、「常に機嫌よく複雑なタスクをこなし、多言語を話すうえ、昼も夜も働く」という「Cognea Virtual Assistant」の2つ。
Cogneaは、米国最大の自動車保険会社や、連邦機関の米航空宇宙局(NASA)、National Australia Bankなどの顧客を擁する。また同社の技術を採用した4万のチャットボットが企業によって開発されたという。
IBMはWatsonを開発プラットフォームとして企業やスタートアップ、大学に提供しようと計画している。同社では今回の買収を通して、計画を強化する意向だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。