日立、新データセンター「岡山第3センタ」開設--日立西日本地区で最大

田中好伸 (編集部)

2012-10-18 14:51

 日立製作所は10月18日、新データセンター「岡山第3センタ」の開設を発表した。11月1日からサービスを提供する。岡山県内で3棟目のデータセンター専用ビルであり、日立の西日本地区では最大になるという。

 岡山市に設置されている岡山第3センタは、地震や水害などの災害リスクが少なく、岡山県内でも特に硬い地盤を持つ土地に直接基礎工法の免震構造で建設されている。地震での予想最大損失比率を示すPML(Probable Maximum Loss)では1.6%という評価を第三者機関から得ている(PMLは、地震で発生する被害を元の状態に戻すのに必要な費用がもともとの資産価値に対してどれくらいに相当するかを示している)。

 延べ床面積は約6500平方メートル。電源設備は二重化され、指静脈認証といった設備も配備されている。日本データセンター協会(JDCC)が定めるデータセンター規格「JDCCデータセンター ファシリティ スタンダード」の最高ランクである“ティア4”に適合している。金融情報システムセンター(FISC)の安全対策基準にも準拠している。

 空調として日立プラントテクノロジーが提供する天吊型の冷媒自然循環式冷却システム「Ref Assist」を全面的に適用している。空調消費電力の削減とサーバラック設置スペースの有効活用が可能になるという。このほかに、熱環境の合理化と省エネルギー化の両立を図るダブルスキンカーテンウォールや屋上遮熱塗料といった、建屋レベルでも環境負荷低減に配慮して設計している。設計段階の電力使用効率(PUE)は1.4としている。

 新しいデータセンターは、西日本地区の主要拠点という位置付けであり、東日本地区の主要拠点である横浜のデータセンターと高速専用回線で接続されている。2009年7月に開設した「横浜第3センタ」内に設置している「日立統合管制センタ」で運用サービスを提供すると同時に、各地域に分散するデータセンター間も接続することで仮想的に統合して、各データセンター特有のサービスも活用できると説明している。


岡山センタの外観(向かって左手が第3センタ)

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