ゴールデンウィーク明けの5月9日(月)、東京・中央区の新日鉄ソリューションズにIT企業の営業が多数集結した。「緊急営業会議:3.11後のITビジネスと営業の役割」と題されたこのイベントは、IT業界の有志がボランティアで開催したものだ。
第4回となる今回は「営業会議」の終盤の模様をお伝えする。なお、ここに至るまでの議論は「3.11後のITビジネスと営業の役割」のバックナンバーから参照できる。
会議の終盤では、ZDNet Japanが実施したアンケート調査から「中期的な展望になるとバズワードが並ぶ。多様性があるように見えて、あまりない印象」(ZDNet Japan編集長 冨田秀継)という問題が提起された。
サイバーテックの橋元賢次氏が「営業側も選別される状況に来ているのでは」と回答。「営業の力が試されている状況に行きつく」と見る橋本氏は、「いろんなものが求められているので、クラウドだけでなく、さまざまな知識をためていく必要がある」と述べている。
アシストの新本幸司氏は、仙台の営業から「(震災を機に)マインドスイッチしている」との声を聞いているそうで、顧客のところでさまざまな質問が投げかけられるようになったという。顧客ごとに問われるテーマが違うため、「営業の引き出しがないとショックを受ける」と話す。
TISの大渕達治氏は、地方公共団体がデータセンターを利用する場合、「県外の業者には出しづらい」という状況があると語る。「地域に小さなデータセンターがほしいが、ない」という声を聞くそうだ。データセンターのニーズが必ずしも首都圏に集中しているわけではないと確信を得たため、大都市圏だけをターゲットにしないビジネスの展開を検討するという。
ブリッジインターナショナルの尾花淳氏は「ソリューションという言葉を簡単に使いすぎている」と指摘。企業の困っていることの解決策がソリューションであり、「顧客に向き合ったとき、いわれなくても困っているだろうことに気づく営業活動が重要になってくるのではないか」と話す。
新日鉄ソリューションズの岡田康裕氏も、「自社の強みを意識した営業やソリューションが必要」との認識で、企業のニーズに応えられるような強みを発揮できる営業の必要性を訴える。
ロジストの山之内謙太郎氏は、自分の扱っているビジネスだけでなく、他社を巻き込んで提案するような活動に変わっていくと見ており、そういった営業が今後重宝されるのではと問いかける。
経営者の立場からは単に安いだけのクラウドに興味がないと話すのはノークリサーチの伊嶋謙二氏で、「どういう風に役立つのか、それでどう変わるのか」という点が必要だと話す。
会場からは、「何かをきっかけに、急に変化する進化のポイントがある」との指摘があり、オイルショック、バブル崩壊、金融危機といった例が挙げられた。今回の震災後も、「ビジネスをどう刺激して、何が飛び出すかは見えないが、進化のポイントになるのではないか」との声が上がった。
ディスカッションの最後には本会議の代表発起人、ネットコマースの斎藤昌義氏が「企業の“困った”に答えるのが営業を含めたビジネスの役割。ITは、その解決策のごく一部でしかない」と話し、営業が「世の中の常識の変化と常識感の共有」という視野を持つ必要があると訴えた。
「顧客の“困った”を知らない、気づかない場合もいっぱいあるが、常識感を持って、顧客に与える影響を理解した上で、ITにつながるビジネスがあれば提案する。それが営業の役割ではないか」——斉藤氏はこう述べ、議論を締めくくった。
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