震災を機に「ワークスタイルが変わらざるを得ない」--3.11後のITビジネス

小山安博

2011-05-26 15:10

 2011年3月11日、東日本大震災が発生し、日本は未曾有の大災害に襲われた。それにともなう原発事故によって電力不足の懸念も生まれ、震災とのダブルパンチで、ビジネスの現場にも大きな影響が出ている。

 そのような状況下、5月9日に都内で「緊急営業会議:3.11後のITビジネスと営業の役割」が開催され、3.11後にIT企業の営業はどのような役割を果たすべきかを話し合った。

 本会議はIT業界の有志がボランティアで開催した。協力企業などの詳細は、ネットコマースのウェブサイトを参照してほしい。

震災はビジネスにどの程度影響したか

 会議の冒頭、ZDNet Japan編集長の冨田秀継が同誌上で実施したアンケート調査の結果を紹介した(関連記事:復興とビジネスの間でIT企業の営業が考えていること--本誌アンケート調査)。

 サンプルは130で、「大震災が4月以降のビジネスに影響を与えるか」という質問に、6割近い74人が「影響は大きく、ビジネス上でのマイナス懸念がある」と回答した。売り上げに対するマイナス効果は、前年比20%程度悪化するとの回答が32人で最も多く、同10%程度の22人と合わせると過半数が10〜20%程度のマイナス影響を予想していた。影響は6カ月以上2年未満で57人に達し、8割が長期の影響を懸念していた。

 逆に震災によって生まれたビジネスとしては、BCP(事業継続計画)、DR(災害復旧)、クラウド、データセンターなどが挙がった。震災はクラウドへの移行を加速させるかという問いには、75人が若干、47人が移行スピードが大きく加速すると答えており、多くは「若干」という認識ながら、プラスの影響が出ると予想していた。

 短期的にはクラウドやデータセンター、DR、在宅勤務支援、BCP、電源、モバイルといった製品が成長との回答が挙がり、中期的にはクラウドが多数で、モバイル、DR、データセンターといった項目が挙げられていた。

 震災直後にさまざまな企業がサービスや製品を被災地に無償提供したが、それらがどう使われたかを調査した結果では、クラウドを中心に活用が進んでいるもののITベンダーが供給できるサービスと被災者の要求にギャップがあることも示唆された。こうしたデータを踏まえ、参加者と会場で議論が始まった。

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