エンタープライズモバイルの波に乗るサイベース

末岡洋子

2011-06-06 12:16

 SAPがSybaseの買収を完了して10カ月足らず。SAPが5月に米オーランドで開催した「SAPPHIRE Now 2011」で、Sybaseは初めてSAPカンパニーとして参加した。

 SybaseでCEOを務めるJohn Chen氏らは、報道関係者向けに合併後の経過について報告し、モバイル分野の製品戦略について語った。

合併の狙いは「エンタープライズのモバイル化」

 SAPがSybase買収を発表して業界を驚かせたのは、2010年5月のことだ。買収金額は58億ドル。SAPにとっては、2008年に買収したBIベンダーの仏Business Objects(約68億ドル)に次ぐ規模となった。買収完了後、Sybaseは独立した企業として運営を続けている。

SAPカンパニーとなった後もSybaseでCEO兼社長を務めるJohn Chen氏 SAPカンパニーとなった後もSybaseでCEO兼社長を務めるJohn Chen氏

 Chen氏は、SAPがSybaseを買収した狙いを「補完的」「モバイル」という点で強調した。

 「共通のビジョンがあり、製品の重複が少ない。SAPは業務アプリケーション企業だが、Sybaseにはアプリケーションが少ない」

 「SAPはデータ分野に参入を図っているが、Sybaseはここを持っている。SybaseはBIやレポーティングを持っていないが、SAPにはBusiness Objectsがある」

 その上で、最大の狙いはモバイルだと強調する。

 「顧客がモバイル化を求めているのだ。合併の最大の狙いは、エンタープライズのモバイル化だ」

 2社は以前からモバイル分野で提携関係にあり、合併作業もスムーズに進んでいるという。

サイベースのモバイル戦略

 Sybaseのモバイル戦略は、次の3層へのアプローチだ。

  1. 土台となる「Sybase Unwired Platform」(SUP)
  2. モバイルアプリケーション
  3. モバイルサービス「Sybase 365」

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