ファスト サーチ&トランスファは10月16日、Eコマース向けのサーチソリューション「FAST ImPulse」にレコメンデーション機能を統合した新製品「FAST Recommendation」を日本市場向けに発表した。米国では9月17日に同製品を発表しており、今回の発表会では導入事例も紹介された。
FAST Recommendationは、ユーザーの嗜好や関心を学習し、蓄積する。年齢や性別などの個人属性はもちろん、ユーザーの検索した商品やどの商品を閲覧、購入したかといった行動履歴などから個人プロファイルを作成し、オンラインショップでユーザーに最適だと思われる製品を推奨する。
FAST Search & Transfer ビジネスデベロップメント担当バイスプレジデント 兼 ワールドワイドメディアソリューションズ部門 ジェネラルマネージャーのPerry Solomon氏は、なぜサーチソリューションを提供する同社がレコメンデーションを提供するかについて、「情報量が非常に多くなっており、コンシューマー自身、自分が欲しいものにたどり着くためによりきめ細やかな援助が必要になっている。レコメンデーションは、ユーザーが思い浮かばなかった製品も薦めてくれる、サーチやナビゲーションを補完するもの。購買率の向上にもつながる」と話す。
事実、すでにFAST Recommendationを導入している企業では、売上が10%から20%向上したという例があるという。「レコメンデーションすることで、ユーザーはより長い時間サイトにとどまり、多くのページを見るようになる。カスタマーのリピート率も高まるのだ」とSolomon氏はいう。
FAST Search & TransferのCTO、Bjorn Olstad氏は、次世代の検索に向けた同社の方向性を数点挙げ、その中で「ユーザー体験を改善していくことが大切」とした。「サーチはアルゴリズムであり、適応力が高い。だからこそレコメンデーションができる」と述べている。
ほかにもOlstad氏は、構造化・非構造化データという考えがなくなり、サーチが中心となってどんなデータも検索するようになることや、今後SaaS(Software as a Service)の進化系としてPlatform as a Serviceが主流となるため、サーチもこの方向に統合していくこと、また、ネットワークの効果を最大限に生かし、トラフィックをいかに収益につなげるかを考えていくと述べた。