アーカイブソフトウェアベンダーであるClearpaceは、構造化データ向けにクラウドベースのアーカイブサービスをローンチする。
米国時間5月21日に発表された「Rainstor」サービスは、データーセンターで使用しているレガシーアプリケーションの稼働にかかる高いコストに悩む企業向けに、安全なオフサイトの構造化データ用ストレージを提供する。
この新しいサービスは、Amazonのクラウドインフラストラクチャ「Amazon Simple Storage Service」(S3)上で稼働し、Amazonの「Amazon Elastic Compute Cloud」(EC2)を用いて処理を実行する。英国グロスターを拠点とするClearpaceにおいてマーケティングおよび戦略ディレクターを務めるJulian Cook氏は、蓄積された既存データをクラウドに置くことにより、企業が自社のオンサイトのハードウェアストレージを購入し、維持するための費用をなくすことが、同サービスの背景にある概念であると述べた。
Clearpaceによる同サービスの発表に先立ち、EMCは先日開催されたEMC World 2009において、新しいオンラインのストレージサービス「EMC Atmos」を発表している。しかし、451 GroupのストレージおよびシステムアナリストであるHenry Baltazar氏によると、EMCのクラウド製品は、ファイルや写真などの非構造化データをサポートすることが実際の目的であるという。
Baltazar氏は、「構造化データに対するクラウドアーカイブサービスは、実はそれほど多くない。構造化データのアーカイブには、アクセスを提供するためのデータベースアプリケーションが必要になるからだ」と述べた。
Clearpaceは、ユーザーの多くが、同社の独立系ソフトウェアベンダーパートナーを介してRainstorに登録してくれることを望んでいる。これらの独立系ソフトウェアベンダー(ISV)は現在、同社のストレージアプライアンス「NParchive」を組み込んでいる。Cook氏は、「ユーザーは、われわれが提供するこのアプライアンスを使用し、必要なアプリケーションはISVが提供する」と述べた。
Rainstorサービスに登録した顧客は、1Gバイトあたり1カ月1ドル(62ポンド)ですべてのサービスを利用することができる。
Baltazar氏は、セキュリティや管理ツールが向上するにつれ、より多くのアーカイブベンダーがクラウドベースのサービスを提供し始めるだろうと期待している。
「まだほんの初期の段階ではあるが、EMCのサービスのような、非構造化データに適したクラウドサービスはすでにいくつか存在している。ほとんど使用していないアプリケーションをデータセンターから引退させることにより、大きな経費削減が得られるのならば、構造化データに対しても同様の需要は多くあるはずだ」(Baltazar氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ