ジャストシステムといえば、かな漢字変換の「ATOK」やワープロソフト「一太郎」で有名だが、そのジャストシステムがXMLの世界で、また新たな旋風を巻き起こそうとしている。その名はxfy technology。
xfyは“エクスファイ”と読み、“x(ml)化”という意味だそうである。それでは、xfy technologyとは一体何なのか?
もの凄く簡単に言うと、あらゆる種類のXMLファイルをWYSIWYG (What you see is What you get)で簡単に編集できるソフトである。HTMLファイルを作るために用いるホームページ作成ソフトのXML版みたいなものだと思えばよい。だが、xfyが凄いのは「どんな種類のXMLファイルでも編集できる」ということだ。
XMLファイルを作成/編集する場合、皆さんはどのようにしているだろうか?
恐らく次の2とおりのどちらかだろう。
1)テキストエディタで直接XMLファイルを作成/編集する。
2)作成するXMLの種類に合った専用エディタでXMLファイルを作成/編集する。
1)の場合は、HTMLで言うならテキストエディタを使ってHTMLタグを直接記述し、ホームページを作成することに相当する。これではHTMLタグ本を参照しながらHTMLを打ち込み、ブラウザで結果を見る、を繰り返しながらホームページを作ることになり、なんとも原始的で効率が悪い。
2)の場合は特定の種類のXML専用エディタを使ってXMLを記述する。例えばホームページ作成ソフトでHTMLファイルを作成するようなものなので、WYSIWYGで簡単に編集でき、なかなか効率がよい。しかし、ホームページ作成ソフトはホームページの作成には使えるが、グラフィックスファイルの作成や音声合成用ファイルの作成など、別の用途には使用できない。XMLはHTMLのように用途が一通りしかないものではなく、あらゆる用途に使用できるように作られたものであるため、このようにある特定の種類のXMLしか編集できないエディタでは困る。
実際、XMLはさまざまな分野に対応するために、ボキャブラリと呼ばれる標準化が行われている。代表的なXMLボキャブラリとしては、HTML後継用のXHTML、2次元画像用のSVG、数式記述用のMathMLなど、多くの種類のXMLボキャブラリが存在している。
さらに、XMLはユーザーが独自にタグを定義/利用することができるため、実際に編集対象になるXMLボキャブラリの種類は無数にあると言ってもよい。このため、無数に存在し今後も増殖し続けるXMLボキャブラリごとに、その専用編集ソフトを用意するというのは非現実的である。
そこで考え出されたのがxfy technologyだ。
このxfy technologyは、世の中に存在するどんなXMLファイルでも、ホームページ作成ソフトのような手軽さで誰にでも簡単に編集することを可能にする画期的なテクノロジーだ。現在xfyはまだ開発途上だが、xfyのホームページでユーザー登録をすることで、個人使用および学術研究目的であれば、ベータ版を無償でダウンロードして使用することができる。
現在ダウンロード可能なのはxfy本体である「xfy Basic Edition 1.0 Beta」と、その開発ツールである「xfy Developer's Toolkit 1.0 Beta」の2種類。とりあえず使ってみたい場合はxfy Basic Edition 1.0 Betaだけを、xfy technologyのウェブサイトからダウンロードすればOKだ。
このxfy technologyはJavaで作られているため、Windows XP、MacOS X(10.3)、Fedora Core3など、さまざまなプラットフォーム上でそのまま動作させることができる。
xfy Basic Edition 1.0 Betaを起動すると、図1のような画面が現れる。一見難しそうに見えるかもしれないが、実際に操作してみると通常のワープロを使ったことがある人ならすぐに使えるようになるくらい簡単だ。