インテルは3月22日、エンタープライズ市場における同社の取り組みについて説明会を開催した。その中でインテル マーケティング本部 本部長の阿部剛士氏は、消費電力削減の重要性を何度も強調した。
インテルでは、1993年のPentiumから2005年のPentium 4まで、CPUのパフォーマンスを約4倍にまで向上させてきたが、パフォーマンスと比例して1命令セットあたりの消費エネルギーも高くなっていった。この電力の壁を打開すべく2003年3月に登場したのがPentium Mだ。これがCentrinoプラットフォームに搭載され、1命令あたりの消費エネルギーをPentiumレベルにまで引き下げた。同社は3月初旬に米国にて開催された「Intel Developer Forum」(IDF)にて次世代アーキテクチャとなる「Core Micro Architecture」を発表しているが、これはPentium Mのアーキテクチャをさらに拡張したものだ。
![]() 消費電力については、日本が最初に問題視したこともあり、阿部氏の思いも熱い |
インテルの消費電力への取り組みは、マイクロアーキテクチャ以外にも及んでいる。それはプロセス技術によるものだ。90nmプロセス技術と比較した場合、現在同社が量産化を進めている65nmプロセスでは、「トランジスタのパフォーマンスが20%向上し、スイッチング時の消費電力が30%削減できる」と阿部氏は説明した。
例えば、2006年後半にも登場する予定のサーバ向けプロセッサ「Woodcrest」(開発コード名)はCore Micro Architectureと65nmプロセスを採用するが、現行のサーバ向けプロセッサXeon 2.8GHz(開発コード名:Paxville)と比較した場合、パフォーマンスが80%向上し、消費電力は35%削減できる。また、同じく2006年後半に登場予定のデスクトップ向けプロセッサ「Conroe」(開発コード名)は、現行のPentium D 950 3.4GHz(開発コード名:Presler)と比較した場合、パフォーマンスが40%向上し、消費電力が40%削減可能だとしている。
さらに、インテル マーケティング本部 デジタルエンタープライズ統括部長の平野浩介氏は、「プラットフォームや電力制御ツールなどでも電力の課題に取り組んでいる」と述べた。具体的には、ソフトウェアのインストラクションによって電力を抑えたアプリケーションを用意することや、低電圧で高速なメモリを採用すること、また、すでにシステム全体でどの程度の熱が発生しているかは測定しているが、さらにCPUそのものの温度検出を行い、温度によってファンを回す必要があるかどうかなどを判断する「Platform Environment Control Interface」という技術を採用するなどしている。
クライアントに管理機能を組み込む
インテルは、同社が提唱する企業向けPCの新たなプラットフォーム「Averill」(開発コード名)についても説明した。
Averillでは、ハードウェアベースの仮想化技術「インテル バーチャライゼーション・テクノロジ」や、ネットワーク経由でクライアント管理ができる「インテル アクティブ・マネジメント・テクノロジ」を採用しているが、今回同社は企業環境でさらに求められる利用形態として「エンベディッドIT」を提案した。
これは、セキュリティ監視機能やネットワークおよびシステム管理機能など、通常IT部門が担当する機能を、クライアントPCの機能の一部として組み込むというコンセプトだ。クライアントPCをユーザーOSとサービスOSに分け、ユーザー側のパーティションにはメールやオフィス系ツールなど通常ユーザーが業務で使用するアプリケーションを、一方のサービス側のパーティションにはセキュリティや管理ツールなどIT部門専用のアプリケーションをインストールする。サービスパーティションは、ユーザー側からは見えず、削除もできない。
これにより、「ウイルス対策ソフトなど、ユーザーのクライアントのみで対応していた部分が、サービス側でも対応可能となる。これまではユーザー側でトラブルが発生した場合、そのPCは致命傷を負うことになったが、サービスOSはよりセキュアな環境を提供するため、万が一トラブルが起きてもユーザー側が受けるダメージは軽減される」と阿部氏は説明した。
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