インテル、IDFでデュアルコアXeon「Dempsey」を発表へ

文:Stephen Shankland(CNET News.com)
編集校正:坂和敏、河部恭紀(編集部)

2006-03-01 20:30

 Intelは、米国時間3月7日から始まる「Intel Developer Forum(IDF)」で、「Dempsey」(開発コード名)プロセッサの製造をすでに開始したことを発表すると、同社の計画に詳しい関係者が明らかにした。Dempseyは、サーバ用プロセッサ「Xeon」としては初めての主要なデュアルコアプロセッサにあたる。

 Dempseyは、規模が大きく、移り変わりの激しいデュアルプロセッサ搭載x86サーバ市場向けに設計されたチップで、Intel製品のなかでも重要な部分を担うほか、Advanced Micro Devices(AMD)の市場シェア拡大を食い止める新たな取り組みの一部にあたる。

 Intelはすでに、デュアルプロセッサ搭載システム用に「Paxville」というデュアルコアXeonを販売しているが、これはもともと4プロセッサ搭載マシン用に設計された一時しのぎの製品で、古い製造プロセスでつくられている。

 Intelの広報担当、Scott McLaughlinによると、同社は今四半期中にDempseyを出荷する予定だという。しかし、サンフランシスコで開かれるIDFに詳しい情報筋は、Intelが現在すでに同プロセッサの製造を進めていることを発表する計画があると述べている。また同社は今度のIDFで「Sossaman」プロセッサを発表する可能性も高い。Sossamanは、消費電力が少ないが、32ビットのソフトウェアにしか対応しないデュアルコアのXeonプロセッサで、IntelのノートPC用チップ「Yonah」や「Dempsey」のメインストリーム向けの後継モデルにあたる「Woodcrest」をベースに開発されたものだ。

 Dempseyを対応する「Blackford」チップセットと組み合わせたものが、「Bensley」というプラットフォームにあたる。Bensleyシステムは「FB-DIMM」と呼ばれる新しいメモリシステムをサポートする。また、同システムではIntelの仮想化技術も提供され、複数のOSを同一サーバ上で動かすことが簡単にできるようになる。さらにネットワークを通じたデータのやりとりや他の入出力関連タスクを高速化する「I/O Acceleration Technology」、そして管理を容易にする「Intel Active Management Technology」も提供される。

 Woodcrestは、Bensleyプラットフォームの一部として、2006年後半に発売予定となっている。Woodcrestには、Xeonとしては初めての次世代マイクロアーキテクチャやノートPC用プロセッサから派生した新しいコアの設計が採用され、消費電力を抑えながら一定の処理能力を実現できるようになる。

 x86サーバの販売で首位に立つHPは、米国時間2月27日に、Dempseyの生産が本格化する5月もしくは6月に同プロセッサを搭載したシステムの販売を開始すると語った。同社はまた、2006年後半にはWoodcrest搭載サーバを発売することも予定している。

 IntelとAMDは現在、マルチコアプロセッサの市場投入をめぐって戦いを繰り広げている。サーバ用のデュアルコアプロセッサを先に投入したのはAMDで、同社は2005年4月にデュアルコア「Opteron」を発売し、その後9月には一段と高速なモデルを追加している。

 両社は現在、処理性能の高さと自社の設計がもたらすメリットをめぐって論争を続けている。また、マルチコアプロセッサへの移行でx86市場も活気づいているが、マルチコアプロセッサの場合には、クロック数競争の時のようなわかりやすいベンチマークはない。

 「以前はチップの動作スピードの速さを競っていたが、いまではそれがマルチコアに変わっている」と、Insight64のアナリスト、Nathan Brookwoodは27日付けのレポートに記している。このレポートでは、マルチコア技術の優秀さの点ではAMDがインテルを大幅に上回っており、そのことはXeonとOpteronの現行モデルだけでなく、Intelが将来投入を予定する4コアプロセッサ「Clovertown」のようなモデルにもあてはまると結論付けている。

 Intelが2005年10月に公表したロードマップによると、同社はDempseyで7モデルを用意し、新しいナンバー名を割り当てるという。そのうち、「5020」「5030」「5040」「5050」の各モデルはいずれも最大消費電力が95ワット、またフロントサイドバス(FSB)の速度は667MHzになる。一方、「5060」「5070」の両モデルは最大消費電力130ワットで、FSBは1066MHzとなる。さらに、消費電力が少なく高速なFSBを持つ「5063」モデルも発売される。

 各モデルの動作速度と価格は次の通り。5020(2.5GHz)が209ドル、5030(2.66GHz)が256ドル、5040(2.83GHz)が316ドル、5050(3GHz)が455ドル、5060(3.2GHz)が690ドル、5063(3.2GHz)744ドル、5070(3.45GHz) が851ドル。

 また、Sossamanプロセッサ(消費電力:31ワット、FSB:667Mhz)は519ドルになる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]