富士通は5月15日、メインフレームの「GS21シリーズ」の最上位モデルとなる「GS21 900モデルグループ」20モデルと、上位モデル「GS21 500モデルグループ」19モデルを発表した。同日より販売を開始し、2007年2月より出荷する。
GS21 900モデルグループは、従来の600モデルグループに比べ、単体プロセッサ処理で1.5倍の性能向上を実現した。同機に搭載される90nm CMOSテクノロジCPUは、UNIXサーバ向けSPARCプロセッサとの共同開発だ。
また、オープン系ミッションクリティカルサーバ「PRIMEQUEST」で最初に採用した同社の超高速チップ間同期型伝送技術であるMTL(Mori/Muta Transceiver Logic)を採用し、CPUからCPU間、またCPUからメモリ間の転送速度を向上、トータルシステムスループットで従来比の約2倍となる240Gbpsを実現した。
さらに、ミドルウェアの「Interstage AIMApplicationDirector」により、SOA(サービス指向アーキテクチャ)にも対応した。これにより、GS21シリーズの従来の業務資産に手を加えることなく、オープンサーバ上の業務システムとの組み合わせが可能となった。
「メインフレームの開発をやめるわけにはいかない」と話す富士通の山中氏富士通 経営執行役 サーバシステム事業本部長の山中明氏は、「国内のメインフレーム市場において、富士通は約20年にわたって出荷台数、売上金額共にトップシェアを維持してきた。トップのベンダーとして今後もメインフレームの開発を続けるつもりだ」としている。また、総務省の情報通信白書のデータから、「70%以上のユーザーがメインフレームを継続的に利用すると答えている。やはり安定した運用ができ、これまでのソフトウェア資産をそのまま活用するにあたって、メインフレームは欠かせない」と述べている。
メインフレーム市場に継続的にコミットすると話す山中氏だが、一方で同市場が縮小していることも認めている。同氏によると、メインフレームの機能を基幹IAサーバのPRIMEQUESTに移行することも「検討中だ」と言う。しかし、完全にメインフレーム市場から撤退し、サーバへのリプレイスを進めるには「まだ技術的な課題もあるので時間が必要だろう」と述べた。
今後も富士通ではメインフレームの開発を続け、2009年には次期バージョンが登場する予定だ。市場が縮小しているにも関わらずメインフレームへの投資を続けることで、投資がうまく回収できるのかとの問いに山中氏は、「オープン系ミッションクリティカルサーバとの共通化を進め、メインフレーム独自の技術への投資は控えている。そのため、今回の新製品への投資も十分回収できる」としている。なお、投資額は未公表となっている。
富士通は、主に既存の顧客をターゲットとし、2008年度末までにGS21シリーズを1000台販売することを目標としている。この数字も、市場が縮小していることは「折り込み済み」(山中氏)だ。
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