インテルは6月27日、記者向け説明会にて今後のエンタープライズ向け製品のロードマップを発表した。インテル インテル技術本部本部長の及川芳雄氏によると、同社では2007年だけでも、プラットフォームの拡張や、Xeon、Itanium 2の最新版を発表する予定だ。
まず、2007年半ばには、企業向けクライアント製品のプラットフォーム「vPro」の第2世代となる「Weybridge」(開発コード名)を発表する。Weybridgeでは、「インテル トラステッド・エグゼキューション・テクノロジー」(TXT)を実装することで、セキュリティが強化される。TXTは、認証技術や、仮想化における分離環境、データの消去などを実現する技術だ。
認証技術について、インテル プロダクト&プラットフォーム マーケティング本部 ビジネス・クライアント・プラットフォーム・マーケティング部 部長の廣田洋一氏は、「ユーザーを認証する技術はこれまでにもさまざまなベンダーが提供していたが、機器の認証やソフトウェアの認証まで行うことは困難だった。しかし、ユーザーを認証しても、ウイルス感染した機器がネットワークに入り込む危険もあれば、企業のポリシーに合った環境設定がなされていない機器が使われる可能性もある。TXTでは、こうした機器の認証まで実現する」と話す。
また、同じくWeybridgeで実現する仮想化における分離環境技術では、これまで仮想化されたサーバ上で分離できていなかったメモリ領域などのハードウェアも分離する。Weybridgeではさらに、PCが正しくシャットダウンできなかった場合などに残っているデータなどを消去する機能も実装される。
2008年には、Weybridgeに続く第2世代のvProとして、ワイヤレス環境での管理が強化された「Montevina」(開発コード名)が登場する予定だ。また、第3世代のvProでは、さらにセキュリティが強化され、管理機能が拡大するという。
一方、プロセッサ関連のロードマップとしては、2007年第3四半期に、クアッドコアXeonプロセッサの最新版「Tigerton」(開発コード名)と、Tigertonをサポートするプラットフォーム「Caneland」(開発コード名)を発表する。第4四半期には、同じくクアッドコアXeonで、初めて45ナノプロセス技術で製造される「Harpertown」(開発コード名)を発表する予定だ。
Itaniumファミリーは、2006年7月にリリースしたデュアルコアプロセッサ「Montecito」に続くデュアルコア製品として、2007年後半に「Montvale」(開発コード名)を発表する。クアッドコア製品は、2008年後半に「Tukwila」(開発コード名)として登場する予定だ。
Tukwilaは、大容量オンダイキャッシュや統合メモリコントローラ、新開発の高速インターコネクトなどを実装する。また、RASにはDDDC(Double Device Data Correction)を搭載する。インテル 技術本部 スペシャリストマネージャーの本間康弘氏は、「現在のハイエンドサーバ用プロセッサでは、ハードウェアのエラーでDIMM上のDRAM素子のひとつに障害が起こった場合、システムがメモリエラーを修復可能だが、2つ以上のDRAM素子が故障した場合、修復できずにメモリが失われ、システムクラッシュを起こす恐れがある。DDDCでは、2つのメモリハードエラーも修復可能で、システムのアップタイムが向上でき、DIMMの交換頻度を下げることが可能だ」と説明する。
時期は明らかにしていないが、Tukwilaの次には「Poulson」(開発コード名)が登場する。Poulsonは、32ナノプロセスで製造され、マルチコア化、マルチスレッド化がさらに進む。また、メインフレームレベルのRASが実現するという。Tukwilaプラットフォームとの互換性も確保される。
インテルでは、Poulsonの次のItanium製品となる開発コード名も発表した。それは「Kittson」だ。Kittsonについては、名前を発表したのみで、詳細は明らかになっていない。