デルは11月29日、都内にて同社主催の「Dell Enterprise Showcase 2007」を開催し、現在同社が推進している「Simplify IT」(ITのシンプル化)をあらためて強調した。
オープニングセッションに立ったデル 代表取締役社長のJim Merrit氏は、ITのシンプル化を進めるにあたって、同社が7月にマネージドサービスプロバイダのSilverBack Technologiesを買収したことや、同社サイト上でITのシンプル化を診断するツールの提供をはじめたことなどについて触れた。
デル 代表取締役社長のJim Merrit氏またMerrit氏は、2008年前半に提供開始される製品について、「電力効率が高く、管理が簡素化できる新世代のブレードサーバを発表する。また、VMwareの仮想化ハイパーバイザソフト『VMware ESX Server 3i』が最初からインストールされたシステムも提供開始する」と述べた。
IDCでは、オンライン上のデータ量が増加の一途をたどり、2006年のデータ量161エクサバイトから2010年には988エクサバイトへと6倍にも増えるとし、同時にネットワークに接続される機器が今後5年で過去15年分より多くなるとしている。こうした状況からMerrit氏は「サービスやアプリケーション、トラフィック、データ、すべてが入り混じって複雑化の竜巻が起こる」と警告する。そこでデルは、「仮想化」「システム管理」「セキュリティ」「システム化されたデータおよび情報管理」「電源と空調」といった顧客の課題を解決し、シンプル化を進めるソリューションフレームワークをパートナー企業と共に提供することを強調した。
米Dell エンジニアリング担当副社長のRick Becker氏Merrit氏の次に登場した米Dell エンジニアリング担当副社長のRick Becker氏は、同社の顧客でシンプル化を実現した事例として、マツダの北米事業所と新生銀行を取り上げた。
マツダでは、4年間にサーバ数が2倍に増加し、8人で280台のサーバを管理するという状況だった。しかも、IT要員の増員なしにそれ以上のサーバ管理が求められていた。そこでサーバ統合により、80台のサーバを5台に統合、1台のサーバに15の仮想マシンを収納した。新しい管理システムも採用したことで、システムの管理工数が38%削減し、5人で300台の仮想サーバを管理できるようになった。
また、新生銀行では、メインフレームをデルサーバに移行した。メインフレーム時は、新サービスの導入には開発に時間がかかり、サービスや事業の変化に柔軟な対応ができなかったほか、夜間バッチ処理のため、24時間ATMを稼動させておくことはできなかったが、デルサーバ導入後は、複数台のサーバにリスクを分散させてシステムがより安定し、24時間ATMの稼動が可能となった。また、コストはメインフレームの10分の1に、開発時間は3分の1となった点をBecker氏は強調した。
Becker氏は、米国で提供されている「Flexible Computing Solution」についても紹介した。これは、Citrixプロビジョニングサーバを使ったオンデマンドデスクトップストリーミングで、デスクトップの信頼性確保と十分なパフォーマンスをエンドユーザーに提供できるのに加え、IT部門もデータやセキュリティの集中管理ができ、イメージ管理も簡素化されるというもの。Becker氏は、「このソリューションを日本でも2008年に開始する」と述べた。
セッションでは、パートナー企業を代表してマイクロソフト 代表執行役社長のDarren Huston氏、インテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏、EMCジャパン 代表取締役社長の諸星俊男氏の3名も壇上に立った。マイクロソフトのHuston氏は、「社員力の強化を謳い、生産性の向上やコスト削減を目指したわが社の推進する『People Ready Business』と、デルのSimplify ITビジョンは大変相性がいい」と述べ、インテルの吉田氏もSimplify ITビジョンに対し、インテルの技術革新や環境にやさしいプロセッサの提供で協力するとした。また、EMCの諸星氏も、EMCがストレージベンダーから情報インフラストラクチャの総合ベンダーへと生まれ変わったことで、情報インフラストラクチャの統合による最適化がSimplify ITに結びつくとした。
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