デルは11月15日、同社のサーバ製品「PowerEdge」シリーズのラインアップを一新するとともに、PowerEdgeシリーズの中、上位向け機種に無償で添付されるサーバ管理ソフトウェア「OpenManage」の機能強化を発表した。
Dell アジア太平洋地域 エンタープライズプラットフォーム&ソリューションマーケティング ディレクターのCraig Slattery氏は、「われわれは顧客のヒアリングを元に、主なITの課題は『運用管理』『熱、空調対策』『搭載密度』『セキュリティ』の4点にあると理解した」と述べ、同日発表した製品がこれらの課題を解決できるものだとした。
今回発表されたのは、4ソケット4Uのハイエンドサーバ「PowerEdge R900」、2ソケット2Uのミドルレンジラックサーバ「PowerEdge 2950 III」、2ソケット5Uタワーのミドルレンジタワーサーバ「PowerEdge 2900 III」、2ソケット1Uのミドルレンジラックサーバ「PowerEdge 1950」、1ソケット1Uのエントリーラックサーバ「PowerEdge R200」、1ソケットタワー型で、オフィス内での設置が可能なスモールビジネス向けエントリーサーバ「PowerEdge T105」の6製品だ。
新しいPowerEdgeシリーズには、最新のプロセッサが搭載されており、PowerEdge R900では「クアッドコア インテル Xeon プロセッサー7300番台」が搭載されている。また、ミドルレンジサーバの2950 III、2900 III、1950 IIIには、インテルが13日に発表したばかりの45ナノメートルプロセスで製造された「クアッドコア インテル Xeon 5400番台」が搭載可能だ。T105は、デルのエントリークラスサーバで初となる「AMD Opteron」を採用した。
2950 III、2900 III、1950 IIIのミドルレンジサーバでは、電源装置や各パーツの点数および設計を見直し、消費電力の低減を実現した。セキュリティ面では、6製品全てに、TPM1.2セキュリティチップをマザーボードに搭載。暗号化キーを安全に生成し、認証と暗号化のサポートにより、データの改ざんを防止、接続するサーバの認証を行う。また、シャーシ内部にUSBポートを装備し、ロックダウンが可能だ。さらには、BIOSによる論理キーと物理キーの二重化で、データの安全性を確保している。
管理面では、OpenManageの最新版「OpenManege 5.3」で管理の効率化を図る。5.3では、電源監視機能や管理コンソール、仮想化環境の監視機能が強化された。
OpenManageの電源監視機能では、サーバ1台ごとのリアルタイムな消費ワット数や、サーバ内蔵の電源装置の消費アンペア数が確認できる。管理コンソールは、導入と変更管理を1つのパッケージに統合したDell Systems Build and Update Utility 1.0により、GUIやCLI(コマンドラインインターフェイス)での管理コンソール画面を3分の1に削減した。また、仮想化環境をサポートするため、VMwareの仮想化ソフトウェア「VMware ESX Server」の監視およびアラート発信機能も備えている。これにより、仮想化サーバにおけるゲストOSのリソース状況などを管理できるようになる。
デルでは、新しいグローバル戦略として「ITのシンプル化」を推進している。Slattery氏は、「これまでデルは、デスクトップをシンプル化し、次にサーバやストレージをシンプル化した。次は、顧客がITをシンプル化するための支援をしていきたい」と述べた。