Linuxノウハウ

「Linux」でWindowsアプリを実行するには--「Wine」を使用した手順

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2023-02-02 07:45

 「Wine」はエミュレーターではない。

 実は、Wineとは「Wine Is Not an Emulator」(エミュレーターではない)の頭字語である。少しややこしいが、Wineを使用すると、「Linux」で「Windows」アプリを実行できる、と話すにとどめておこう。

 Wineで実行できるアプリについて知りたい人は、こちらの検索可能なデータベースを参照してほしい。ゲームから生産性ツールまで、ありとあらゆるアプリのリストが掲載されている。

 しかし、Wineを使用してLinuxでこれらのWindowsアプリを実際に実行するには、どうすればいいのだろうか。

 本記事では、その手順を紹介する。

Wineを使用してLinuxでWindowsアプリを実行する方法

必要なもの

 ここでは、「Ubuntu Desktop」を使って説明を進めるが、WineはほとんどのLinuxディストリビューションにインストール可能だ。Wineをインストールするには、実行中のLinuxディストリビューションとsudo権限を持つユーザーが必要である。それ以外のものは不要だ。それでは、具体的な手順の説明に移ろう。

1. ターミナルウィンドウを開く

 最初に、Linuxデスクトップにログインして、ターミナルウィンドウを開く。

2. 「Ubuntu」ベースのディストリビューションにWineをインストールする

 以下のコマンドを実行して、Wineと「Winetricks」(Wineの設定を容易にするツール)の両方をインストールする。

sudo apt-get install wine winetricks -y

3. 「Fedora」ベースのディストリビューションにWineをインストールする

 「RHEL」ベースやFedoraベースのディストリビューションを使用している場合は、最初に以下のコマンドを実行して、必要なリポジトリーを追加する必要がある。

sudo dnf config-manager --add-repo https://dl.winehq.org/wine-builds/fedora/36/winehq.repo

 その後、以下のコマンドでWineをインストールできる。

sudo dnf install winehq-stable -y

4. Wineを設定する

 以下のコマンドでWinetricksアプリを実行すると、必要なディレクトリーが自動的に作成される。

 表示されたウィンドウで、「Select the default wineprefix」(デフォルトのwineprefixを選択)をクリックし、「OK」をクリックする。次のウィンドウで、「Run winecfg」(winecfgを実行)を選択して「OK」をクリックする。その後、Windowsバージョンのドロップダウンからオプションを選択して、「OK」をクリックし、Wineに模倣させたいWindowsのバージョンを設定する。

winetricks
提供:Jack Wallen
Winetricksを使用すると、Wineの多くのオプションを簡単に設定できる。
提供:Jack Wallen

 Winetricksでは、DLLやフォントのインストールなど、ほかの多くのオプションも処理することが可能だ。ただし、本記事では、ここでWinetricksのウィンドウを閉じて、最初のWindowsアプリをインストールする準備を進める。

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