海外コメンタリー

「Linux」で充実したゲーム体験を--対応プラットフォームが豊富な「Regata OS 24」

Jack Wallen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2024-04-17 07:30

本記事の要点

  • 「Regata OS 24」は、「Battle.net」「Ubisoft Connect」「Rockstar Launcher」「GOG Galaxy」などのゲームプラットフォームの優れたサポートを提供するOSの最新リリースだ。
  • この「Linux」ディストリビューションにより、Linuxでのゲームプレイが極めて簡単になる。
  • 生産性を高める機能はあまり搭載されていない。
Regata OSのデフォルトであるダークモード。設定アプリで変更できる。提供:ZDNET/Jack Wallen
Regata OSのデフォルトであるダークモード。設定アプリで変更できる。
提供:ZDNET/Jack Wallen

 10年前には、Linux向けゲームがこれほどの注目を浴びるとは夢にも思わなかった。しかし、現実にそうなっている。まるでゲーマー向けの新しいLinuxディストリビューションが毎月登場しているかのようだ。

 とはいえ、そうしたディストリビューションは新しいものばかりではない。たとえば「Regata OS」は、「openSUSE」をベースにブラジルで開発されたディストリビューションで、「Microsoft Windows」の無料の代替製品として2013年に登場した。

 openSUSE(そしてその派生ディストリビューション)はこの数年、不公平な扱いを受けてきた。ユーザーフレンドリーなLinuxディストリビューションが多数ある中で、openSUSEは経験豊富なユーザー向けのOSという評価を下されがちだった。メインメニューを一目見れば、その理由が分かる。項目数が非常に多いからだ。アプリケーションが多数インストールされているだけでなく、マシンの設定用ツールは「System Settings」と「YaST」の2種類がある。System Settingsは誰でも使えるようなツールだが、YaST(Yet Another Setup Tool)は管理者向けのツールだ。YaSTは高度な設定が必要な場合に備えて用意されているが、ほとんどのユーザーはデスクトップ設定のメインのツールとしてSystem Settingsを使用することになるだろう。

 openSUSEをベースとするRegata OSでは、「Epic Games Store」「EA Origin」、Ubisoft Connect、Battle.net、GOG Galaxy、Rockstar Launcher、「Steam」などのゲームにアクセスできる(ただしSteamコンポーネントは別途インストールが必要)。

 Regata OSの最大の差別化要素は「Game Access」だ。このアプリケーションはSteam以外のすべてのゲームをセットアップするワンストップショップとして機能する。Regata OSのGame Accessで、いずれかのランチャー(Battle.netなど)をクリックすると、必要な互換モードソフトウェアをインストールすることができる。たとえばBattle.netのインストールが完了すると、「Diablo」シリーズやその他のゲームにアクセスできるようになった。Game AccessでBattle.netのインストールが終わるまでに多少時間がかかったが、必要最小限の操作で完了した(求められたのは言語の選択だけだった)。

ゲームの操作はすべてここから始まる。提供:ZDNET/Jack Wallen
ゲームの操作はすべてここから始まる。
提供:ZDNET/Jack Wallen

 Game Accessは実際のところ、さまざまなゲームセンターの実行に必要なソフトウェアをインストールする手段にすぎない。Battle.netやEpic Games Storeなどをインストールした後は、デスクトップやメインメニューに追加されたランチャーからそれらのアプリを起動することができる。

 Regata OSでゲームに簡単にアクセスしてプレイできるのは、新鮮な感覚だ。確かに、筆者はLinuxでSteamのゲームを簡単に実行できることに慣れているが、このワンストップショップによって、さらに多くの刺激的なタイトルにアクセスできるという点で、Regata OSは他のLinuxディストリビューションよりも優れている。

 だが、Regata OSをゲーム以外のタスクに使用する場合はどうなのだろうか。「Firefox」のような一般的なツールはあるが、オフィスツールは「Okular」ドキュメントビューアーと「ONLYOFFICE Desktop Editors」しか含まれていない。実用的な生産性ワークステーションにするには、多数のアプリケーションをインストールする必要があるだろう。幸い、こうしたアプリはすべて「Regata OS Store」で入手可能だ。

 とはいえ、Regata OSの売りは生産性ではない。これはゲーム用のOSだ。むしろ、Regata OSはLinuxでのゲームに最適なディストリビューションといっていいだろう。Linux初心者が苦労しがちな作業を大いに簡素化してくれる。

 結論として、Regata OSはLinuxでのゲームプレイを進歩させるものだと感じた。このLinuxディストリビューションを試してみたくなった人は、Regata OSの公式サイトからISOをダウンロードして、予備のマシンにインストールし、ゲーム関連の優れた機能を満喫してほしい。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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