PC業界は、悲観的になる必要などない。
これは、世界PC市場の最新動向を調査しているIDCの最新リポートで明らかになったことだ。米経済成長の鈍化にもかかわらず、世界のPC出荷台数は、実のところ予想を上回る勢いで増加した。
IDCが米国時間9月10日に公表したリポートによれば、世界のPC出荷台数は、2008年は15.7%増の成長を遂げ、3億1100万台に達すると予測されている。その後、わずかに成長速度は鈍化すると見られるものの、2012年まで9%以上の成長を保つと考えられている。IDCは、2012年の年間PC出荷台数が、4億8200万台を突破するとの予測を出した。
エネルギーコストの増大、米国および西欧でのIT支出削減、日本、米国、欧州のPC市場における飽和状態の進行といった逆境があるにもかかわらず、今回の成長予測が発表された。では、一体この新たな明るい見通しの根底には、何があるのだろうか?
IDCによると、Atomプロセッサで稼動する小型Netbookが、その成長要因である。
西欧のPC出荷台数は、2007年の12%増という成長率から、ほぼ倍増して、2008年には23%増に達するという。ASUSTeK Computerの「Eee PC」を始めとする「低価格ノートPCの幅広い普及」が、この成長を牽引したと、IDCは分析する。欧州のコンシューマー向けノートPC出荷台数は、2008年第2四半期に60%増を記録し、2008年後半も、引き続き、同じ高い成長率を維持すると見られている。
IDCが、低価格ノートPC市場の潜在的成長に関しては、かなり保守的な姿勢を示してきた点を考慮するならば、このことは大きな意味を持つ。Gartnerは、Netbookカテゴリーの製品出荷台数が、2008年には520万台を記録し、2012年には5000万台に達すると予測している。一方で、最近までIDCは、Netbookの出荷台数が、2008年は350万台、2009年は500万台、2012年でも920万台にとどまるとの予測しか出してこなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ