オハイオ州クリーブランドにあるCleveland Clinicでは1500〜1万人の患者がプロジェクトの試験運用に参加し、自発的に医療記録を自分のGoogleアカウントに転送することになっている。同病院はすでに10万人以上の患者の電子記録を「MyChart」と呼ばれる内部システムに保管しているが、これらの個人健康記録(PHR)をGoogleと共有すれば、患者はCleveland Clinicの外部でも自分の健康記録を利用できるようになる。データに含まれるのは、処方薬に関する情報、病歴、および症状やアレルギーの関する詳細である。
「患者はより主体的に自分の医療情報を管理できるようになる」とCleveland Clinicの最高情報責任者(CIO)であるC. Martin Harris博士は声明で述べている。「Cleveland Clinicは積極的に参加して、より効率的かつ効果的な国民医療システムをめぐる国民的な対話の推進を支援していきたい」(Harris博士)
またGoogleの検索プロジェクトとユーザー体験担当バイスプレジデントであるMarissa Mayer氏は同じ声明で「患者は簡単に自分の健康情報にアクセスしてそれを管理できるようになるはずだとわれわれは信じている」と述べている。「われわれが新しい医療サービスを試験運用するための最初のパートナーの1つとしてCleveland Clinicを選んだのは、サービスの提供者として同病院がすでに患者がオンラインで自分の医療記録を管理し、医師とケアについて調整できるオンラインツールを提供し患者に対して記録管理の自己権限を与えているからである」(Mayer氏)。さらに、Cleveland Clinicのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるDelos M. Cosgrove氏はGoogleのHealth Advisory Councilのメンバーでもある。
医療業界に変革をもたらそうとしている巨大ハイテク企業はGoogleだけではない。AOLの創設者であるSteve Case氏はRevolution Healthという新会社を立ち上げているし、InterActiveCorpは数社の健康関連の新興企業に投資をしている。またMicrosoftも医療記録サービスに取り組んでいる。