Googleは、同社のオンラインサービス「Google Docs」に保存されたワープロやプレゼンテーションのドキュメントのごく一部で、アクセスが不適切に共有されてしまう、プライバシー上の脆弱性問題を発見した。
TechCrunchに掲載された引用によると、Googleは同社がこの問題の影響を受けたユーザーに送信した文書で「本人の知らないうちにドキュメントが公開されるおそれのあったバグを見つけ修正を行った。意図しないドキュメント共有が起きたのは、本人または共有権限をもつ共同編集者が過去にドキュメントを共有したことのある人までに限定されていた」と述べている。「本人または共有権限をもつ共同編集者が、ドキュメントリストから文書やプレゼンテーションを複数選択し共有の許可を変更した場合のみ、この問題が生じた。この問題で影響を受けたのは文書とプレゼンテーションで、スプレッドシートは影響を受けていない」
Googleはその後の声明で、この問題の影響を受けたのはサイトに保存されたドキュメントの0.05%で、該当するGoogle Docsユーザーには通知を行っていると述べている。
ドキュメントが共有されたのは、Google Docsユーザーがすでに共有したことのある人に対してだけであり、世界全体に対するものではなかった。とはいえ今回の問題は、それまで各自のコンピュータで実行されていたソフトウェアをインターネットサーバがホストする、クラウドコンピューティングのマイナス面の1つを例証している。クラウドコンピューティングの利点である、インターネットに接続したコンピュータやスマートフォンであればどこからでもドキュメントにアクセスできる便利さには、技術的問題やクラッキングにより、非公開のデータが露出するおそれがあるという裏の側面がある。
しかし、ローカルマシンにデータを保存する場合も、それによる危険性があることは言っておかなければならない。ノートPCの紛失や盗難によって、どれだけの秘密情報が漏洩するものかは、Boeing、Hewlett-Packard(HP)、米国立衛生研究所(NIH)などの事例で明らかだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ