日本IBMは10月20日、企業向けコラボレーションクラウド「IBM LotusLive」ファミリーの新サービスとして「LotusLive Notes V1.3」を10月21日より提供開始すると発表した。
日本IBM、ソフトウェア事業Lotus事業部長の三浦美穂氏によれば、LotusLive Notesは、同社のコラボレーションソフトウェア「Lotus Notes/Domino」で提供している電子メール、カレンダー、アドレス帳といったコミュニケーション機能、コラボレーション機能を企業向けパブリッククラウドサービスとして提供するものという。
メールアプリケーションの機能としては、「Lotus Notes/Domino 8.5.2相当」(同社)のものになる。既に提供されている「LotusLive iNotes」が、標準的かつシンプルなメール機能を提供するのに対し、LotusLive NotesはNotes/Dominoをベースとした、よりリッチな機能を求めるビジネスユーザー向けという位置づけになる。
iNotesになく、LotusLive Notesにある機能としては、メール一覧画面でのコンテンツプレビューや、スケジュールでのグループに対する予定追加、繰り返し予定の設定などが挙げられる。さらに、iNotesにはない連絡先管理、タスク管理、ノートブック機能などもLotusLive Notesには統合されている。一方で、iNotesでは可能だったPOP/IMAPクライアントにあるメール受信には対応していない。同社によれば、これは一般的なメールクライアントには含まれていない「代理権限の設定」や「アテンションインジケータ」などの、高度な機能への対応を考慮してのことという。
既にNotes/Dominoを利用している企業ユーザーは、社内システムのディレクトリ情報をLotusLive Notesと連携させたり、普段利用しているNotesクライアントをオフライン作業用のクライアントとして利用できるといったメリットがある。さらに、オプションとして用意されている「LotusLive Notes Traveler Services」を合わせて利用することで、iPhone、iPad、Windows Mobile、Symbianといったモバイルデバイスから、LotusLive Notesへのアクセスも可能になる。
LotusLive Notesはコラボレーション機能の提供に特化しているため、ユーザーが社内で独自に開発しているNotesアプリケーションのホスティング機能は提供されないが、例えば「メール、コラボレーションに関する機能はLotusLive Notesを利用して、管理コストを削減する」「グローバル展開にあたって、本社内ではLotus Notes/Domino、海外拠点ではLotusLive Notesを導入し、メール環境を共通化する」といった形での活用シナリオが想定できるとする。
LotusLive Notes V1.3の利用価格は、1ユーザーあたり年間8580円(税別、25Gバイトのメールサーバ容量を含む)より。30日間の無料試用も可能となっている。
同社では、販売施策として、LotusLive Notesのメール・コラボレーション機能と、他のLotusLiveアプリケーションが提供するウェブ会議の機能を合わせて約80%引きで提供するバンドルオファリングを行うほか、業種、業態ごとのLotusLiveを用いたコラボレーションシナリオをセミナーなどを通じて、エンドユーザーやパートナーに対して広く提案していくとしている。また、SaaS販売サイト事業者との協業による販売ルートの拡大も計画しているという。