「LotusLive」に「Project Vulcan」--最新のコラボレーション技術を披露した「Lotusphere Comes to You」

大河原克行 2010年03月01日 19時52分

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 日本IBMは2月25日、東京箱崎の同社本社において「Lotusphere Comes to You 2010」を開催した。

 同イベントはユーザー企業およびビジネスパートナーを対象に、2004年から開催しているもので、今年で7回目。クラウドコンピューティングサービスである「LotusLive」や、新しいユーザーインターフェースを採用した「Lotus Notes/Domino」などの製品、ソリューションを各種セッションを通じて紹介した。

川原均氏 日本IBM、専務執行役員ソフトウェア事業部長の川原均氏

 午前中に行われた基調講演では、日本IBM専務執行役員、ソフトウェア事業部長の川原均氏が冒頭に挨拶。「企業では、One and Onlyに対する要求が高まっており、同時にコラボレーションに対する要求が高まっている。膨大な情報を活用するとともに、アイデアを共有して、社内やコミュニティの共感を得ることで、コラボレーション型のビジネスを推進するといった動きが出てきた。こうした中では、情報セキュリティの強化、および情報と業務フローとの連携が重要になる。この点で、Notesはうまくバランスされた製品であり、新たな時代にあわせることができる製品へと進化している。昨年、今年と新たな製品の発表が相次いでおり、今日は新たな時代にフィットするLotus商品を紹介できる」とした。

 続いて基調講演のスピーカーとして登壇した、米IBMのバイスプレジデント、Online Collaboration Services, Lotus, IBM Software GroupのSean Poulley氏が、「Working Smarter Together with Lotus Software −Lotusソフトウェアで実現するワークスタイル変革」をテーマに講演。「LotusはIBMの戦略のなかで中核となるもの」などとしたほか、「Lotusで一番成功したプロダクトがLotus Notes 8である。全世界で1万8378社もの導入がある」などと語った。

Sean Poulley氏 米IBMのバイスプレジデント、Online Collaboration Services, Lotus, IBM Software GroupのSean Poulley氏

 Poulley氏は、「IBMは過去3年間に渡り、10億ドル(約1000億円)もの投資をLotusの技術に対して行ってきた。世界トップのeメールシステムを持ち、ユニファイドコミュニケーションの強みがある。エンタープライズソリューションコネクションの点で強化を図り、WebSphereのポータル製品を統合できる。コラボレーションでは、情報と業務の統合が必要であり、Windows、Linux、Mac、携帯電話やスマートフォンなど、どんなデバイスでも利用できるようになっている」などとしたほか、「Symphonyは無償で提供しており、これを活用することでMicrosoft Officeへの投資分を別のところに回すことができる。すでにSymphony Nextはベータ版を配布しており、これをぜひ活用してほしい」とした。

 また、「IBMが提唱しているSmarter Planetの実現に向けては、ニューインテリジェンス、グリーン・アンド・ビヨンド、ダイナミックインフラストラクチャ、スマートワークの4つの課題がある。Lotusはそのなかでスマートワークの役割を担うものであり、意思決定、リアルタイムの分析、人とのコラボレーション、ワーキングスタイルの変革を行うことができる。今後、業界別ソリューションとしての提案を行っていく」とし、加えて「IBM Project Vulcanは製品ではなく、将来に向けた価値を提供していくLotus製品のためのプロジェクト。コラボレーションのあり方や働き方を示すビジョン。社員一人ひとりの力を最大限に発揮し、企業がこれまでよりも高い業績に到達できるような環境を実現する」とした。

 具体的な製品については、自社のアプリケーションとクラウドベースのソリューションを統合するハイブリッドクラウドを実現する「IBM Lotus Liveファミリー」や、その中で2010年第2四半期にベータ版を投入する「LotusLive Notes」について説明。「LotusLiveはコラボレーション統合プラットフォームになる」と位置づけた。また、これらの製品では、IBM研究所の成果が多く盛り込まれていることや、iPhone上で暗号化したメールを閲覧するプラグインを提供していることを紹介した。

 さらにPoulley氏は「2010年下期から、Lotus Knows(ロータス・ノーズ)と呼ばれるキャンペーンを日本でも開始する」とし、「Lotus Notes(ロータス・ノーツ)は、競合他社製品を大きく凌駕すると考えており、企業のペースセンターとなる人たちを対象に訴求を行う。日本の市場におけるLotusの見方が変わってくるだろう」と、新たな取り組みについても説明した。

三浦美穂氏 日本IBM、ソフトウェア事業Lotus事業部長の三浦美穂氏

 講演の最後にPoulley氏は、「新たな時代に合致した性能、技術をそろえたLotusは、顧客や世界をスマートにすることに貢献できるものである。ビジョンを共有し、Lotusを活用し、ビジネスを変革してほしい。Lotusのユーザーには、今後5年、10年のリーダーとなるべく、課題解決に取り組んでもらいたい」とした。

 日本IBM、ソフトウェア事業Lotus事業部長の三浦美穂氏は「IBMは未来のコラボレーションビジョンの提案とともに、お客様と一緒にソリューションを提供する企業でありたい」とし、「ツールだけで人を変えられるわけではない。人のあり方、人材のあり方、企業を変革するためには、どういう組織であるべきかを特別講演の高橋教授の話から知っていただきたい」とした。

高橋俊介氏 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授の高橋俊介氏

 続けて特別講演のスピーカーとして登壇した、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授の高橋俊介氏が「組織戦略と人材のあり方を支えるための、コラボレーション、コミュニケーションとは」をテーマに講演した。高橋教授は、「経営環境、人材環境が変化するとともに、ITの浸透によってコミュニケーションは激しく変化している。従来のやり方を引きずっていると必ず職場は崩壊する。新たな環境には新たなコミュニケーションが必要であり、そのリーダーシップを組織のなかに埋め込んでいただきたい」とした。

 さらに「上司の役割は教えること以上に、学ぶ場を作ること、仮説検証のサイクルを見える化することが必要であり、人材の育成には多面的な育成が必要である。京都花街の舞妓の育成のように、置屋のおかみが現場に行かなくても、お茶屋や他の置屋の情報、あるいはお客さんからの声をもとにして、人材の課題を共有し、下町型ともいえる育成の風土と習慣を作るこことが必要」などとしたほか、「これまでの企業では、大部屋で上司の電話のやりとりなどを聞き、学ぶということができたが、これがITの活用によってどんなことが起こっているのかがかわらず、学ぶことができないという現状がある。ITで崩れたコミュニケーションをITで修復する必要がある。そのためには、元の仕組みに戻るのではなく、知恵を使う必要がある」などと語った。

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