VMwareは、かつて、1台のコンピュータ上で複数のOSを同時に稼動することを可能にするハイパーバイザーと呼ばれるコア仮想化ソフトウェアの販売で利益を上げていた。しかし、今や同社の事業は、ハイパーバイザー販売だけにとどまらない。
VMwareで社長を務めるDiane Greene氏は米国時間9月11日、サンフランシスコで開催されている同社主催のイベントVMworld 2007で開かれた記者会見で、「現在、売り上げの8割以上をハイパーバイザー以外で上げている」とした上で、「われわれはこれまで、ユーザーにとっての仮想化の価値を明確にする製品の開発という大変効果的な仕事を行ってきた」と語った。
VMwareが競合他社との競争にさらされているという現実を考えれば、それは同社にとって大変意義のあることだ。現在、オープンソースのXenハイパーバイザーは無料で入手可能だ。また、MicrosoftもViridianという開発コード名で呼ばれるハイパーバイザーをWindows Serverの将来版に搭載する計画だ。
VMwareは当初、デスクトップ向けのコア仮想化技術を販売していた。その後、サーバ向け仮想化技術を追加し、さらに後に、仮想マシンやその他の高性能ソフトウェアを管理するための「Virtual Infrastructure」ソフトウェアを追加した。このVirtual Infrastructureを使用することにより、管理者はさまざまなタスクの実行が可能になる。例えば、仮想マシンを起動、停止する、「VMotion」と呼ばれる機能を使って複数の仮想マシンをある物理マシンから別の物理マシンに移動する、仮想マシンのバックアップを取り、データセンタが被災した場合に他の場所で再起動する、サーバが過重負荷状態、あるいはアイドル状態ではないことを確認するためにリソースの使用を監視する、などだ。
仮想化技術は、数十年前から存在する。しかし、x86チップを搭載した主流のコンピュータに搭載されたことにより、同技術は一気に表舞台に飛び出し、投資の対象として注目を集めている。EMCの子会社であるVMwareは、8月に新規株式公開(IPO)を行った。また、Citrix Systemsは、仮想化ベンダーのXenSourceを5億ドルで買収した。
現在、VMwareの管理ソフトでは、他社のハイパーバイザーは管理できない。この点についてGreene氏は、「われわれのハイパーバイザーは、(他のハイパーバイザーに比べ)はるかに多くの機能を搭載しているので、(他社のハイパーバイザーを管理する)意味はない」と語る。例えば、同社の顧客の6割はVMotionを利用しているが、この機能が搭載されているのは同社のほかXenSourceのXenEnterpriseのみで、MicrosoftのViridianの初期版からは同機能は見送られている。
しかし、Greene氏は他社とのより緊密な連携に前向きな姿勢を見せている。「Microsoftとの連携の兆しが徐々に見え始めている」とGreene氏は語る。同氏はその端的な例として、Open Virtualization Machine Format(OVF)の取り組みを挙げた。このOVFで、VMware、Microsoft、XenSourceの3社は、ハードドライブに仮想マシンを保存するための共通のフォーマットを策定した。
VMworldの中で、VMwareは、同社の新しい「ESX Server 3i」ハイパーバイザーをIBM、Dell、Hewlett-Packard、NEC、富士通のサーバに搭載する計画を発表した。この計画が実現すれば、サポートソフトや管理ツールを新たに販売できる可能性もある、とGreene氏は語る。
またGreene氏は、向こう10年間の見通しを示した。その中で同氏は、現在、仮想化は一部の人々の間で受け入れられているが、今後は単に受け入れられるだけにとどまらず、至るところで見られるようになると指摘した。「将来、仮想化はハードウェアの随所に見られるようになると考えている。そして、3台〜3000台のサーバを利用している企業や組織の自動化されたデータセンタでは、仮想化はごく当たり前のことになるだろう」(Greene氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ
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