CA Technologiesは5月16日(米国時間)、ラスベガスにて「CA World 2010」を開幕した。CA Worldは同社主催による年次イベントで、20日までの5日間の日程で開催される。今回は約7000人の参加者がラスベガスに集まった。
既報のとおり、CA Technologiesという社名は同日午前中に行われた海外のプレス向け説明会にて発表されたCAの新社名だ。オープニングの基調講演に登場したCA Technologies 会長 兼 CEOのBill McCracken氏は社名変更について、「ITはビジネスの迅速性を高めるものだが、その方法を激変させるような技術が提供できる企業を目指すというわれわれの方向性を示すものだ」と述べた。
McCracken氏は、現在のIT業界が変曲点を迎えているとし、生き残るためには変革が必要だと述べる。そのためにもクラウドコンピューティングを採用すべきだと主張するMcCracken氏は、「クラウドが実際に浸透していくと思うかという質問を受けるが、私は“思っていない”と答える。なぜなら、“思う”かどうかの問題ではなく、すでにクラウドは目の前で起こっている現象であり、確実に浸透していくからだ」としている。
今回のCA Worldにて同社は、「私たちならできます」という表現の中に「CA」のロゴを強調した形で表示させる「We can」というキャッチフレーズを打ち出している。それは、企業のさまざまな悩みに対し、「CAならその悩みを解決できる」と主張したものだ。McCracken氏は、「仮想化とクラウドコンピューティングは、変化を続ける市場環境や顧客ニーズに対応できるもの。われわれは、重要な変曲点を迎えつつあるこの業界で顧客に競争力を提供する」と述べ、今回のイベントにてクラウド関連や管理製品などのさまざまな発表を予定しているとした。
そのひとつが、基調講演に先立つプレス向けイベントにて発表されたクラウド関連のコミュニティサイト「Cloud Commons」だ。Cloud Commonsの肝となるのは、「Service Measurement Index(SMI)」という基準によってクラウドサービスプロバイダーを評価したデータベースだ。SMIのフレームワークはCAによって作られたものだが、カーネギーメロン大学シリコンバレー校にて結成されるSMI Consortiumにて、この評価基準をより発展させていくという。
Cloud Commonsの発表にあたったCA Technologiesクラウド製品ライン担当シニアバイスプレジデントのDavid Hodgson氏は、「クラウドサービスプロバイダーは無数に存在し、どのサービスを選べばよいのか、どのように決めればよいのかわからないというユーザーが多い。また、専門家や経験者の話を聞きたいと思っても誰に聞けばいいのかわからないという声もある。そのために用意したのがCloud Commonsだ」と説明する。また、Cloud Commonsは「CAがインフラを提供するものの基本的にはオープンで、どの企業も参加できる」としている。