IDC Japanは2月16日、国内企業におけるドキュメントソリューションやドキュメントアウトソーシングに関する実績、今後の目的、予算規模などを調査分析した結果を発表した。
この調査は、従業員規模100人以上の国内企業811社を対象に、過去5年以内に文書作成業務の見直しや再設計をするため、システム構築、出力機や入力機の追加導入や再配置などの「ドキュメントソリューション」を実施したかを調べたもの。
調査結果によると、ドキュメントソリューションを実施した企業は全体の33.2%にあたる269社、実施回数は5年間で平均3.3回となった。また、今後の動向についても「現在検討中」とする企業が全体の27.3%にあたる221社となった。さらに、24.7%が「非常に必要」、55.1%が「やや必要」と回答しており、どの業種や従業員規模でもドキュメントソリューションの必要性がおおむね高い割合で認識されているとIDC Japanでは分析している。とりわけ、金融業や従業員1000人以上の企業は平均よりも高い数値を示したとのことだ。
一方、ドキュメントソリューションに関連するサービスでは、出力機の台数や配置の評価、診断、適正配置とそれらのメンテナンスを一括で契約するなど、Managed Print Service(MPS)に関するサービスを期待する回答が上位を占めた。IDC Japanでは今回の調査結果を受け、経済後退期にあっても「ドキュメントソリューションやドキュメントアウトソーシングについての着実なニーズが存在している」と分析。文書の電子化とデータベース化で情報共有と意思決定に必要な書類の処理速度を向上させ、「情報武装」と「スピード経営」を目指す企業が増えていると指摘している。
なお、取引実績先や今後の取引の検討先としては、富士ゼロックス、リコー、キヤノンなど大手プリンター、MFPベンダーが上位についた。富士通、IBM、大塚商会、NTTグループ、NEC、日立製作所などのITベンダーがその後に続く結果となり、規模が大きい企業ほどITベンダーとの取引を望む傾向があるとのことだ。
IDC Japanのハードコピー・ペリフェラル&デジタル・イメージングのグループマネージャーである飛沢省二氏は「出力機器やプリントボリュームの管理などのニーズにきめ細かく対応することがベンダーに求められている」と分析している。