IDC Japanは4月8日、国内企業817社を対象にした情報セキュリティ対策の実態調査結果を発表した。
調査は1月に実施。2009年度と比較して2010年度の情報セキュリティ関連投資の増減率見込みを調査した結果、「減少する」と回答した企業は全体の20.3%を占め、「増加する」と回答した企業の9%を上回った。2008年度と2009年度との比較では、「増加」が7.9%、「減少」が22.4%となっている。こうした状況にIDC Japanは情報セキュリティ投資は減少傾向だが、投資抑制は軟化してきていると見ている。
調査からは、クライアントPC向けの無料ウイルス対策ソフトは、従業員規模に関係なく1〜2割程度の企業が利用していることも判明している。
無料ウイルス対策ソフトの「導入を検討しない」「利用しない」企業は、「ウイルス検知率が低いから」「ベンダーのサポートを受けられないから」を理由に挙げて、従業員規模が大きくなるにつれて比率が高く、従業員規模250人以上の企業で半数を占めているという。ウイルス対策はSaaS型の提供で価格の低廉化が進んでいるが、無料ソフトの利用が拡大すればさらに進行し、価格モデルの見直しが必要になると同社はみている。
調査では、脅威管理、アイデンティティ管理やアクセス管理、セキュアコンテンツ管理など13項目の情報セキュリティ対策の導入状況を調べている。ウイルス対策やファイアウォール、VPNなど外部からの脅威への対策の導入が進んでいることが明らかになっている。今後導入を検討しているセキュリティ対策は、特定のソリューションにかたよらず、13項目すべての対策で1割程度の企業が検討しているという。