Microsoftは米国時間11月8日、5年の紆余(うよ)曲折を経て「Windows Vista」の開発が完了したことを明らかにした。
Windowsの責任者Jim Allchin氏は、同製品のコードが最終承認されたことを明かした。Allchin氏は電話会議のなかで、「同製品は非常に堅牢で、すぐにでも出荷できる状態だ。今日は素晴らしい日である」と述べた。
Allchin氏によると、Vistaは消費者向けには1月30日に発売されるという。また、Vistaが5カ国語でリリースされることも明かされた。実際のところ、フランス語、スペイン語、および日本語の各バージョンは英語版より先に承認されていたと、Allchin氏は語っている。
同社は11月30日に記者会見を予定しており、ここで「Office 2007」と一緒に新OSを発表する。両リリースは、Microsoftの主要2製品のメジャーアップデートとなり、消費者向けには2007年はじめに発売される予定。Vistaは、1月に新型PCに搭載されるとともに店頭にも並ぶ予定。
今回のMicrosoftの発表で、Windows開発チームは非常に厳しい時期を乗り越えた。同チームは、Vistaのコードが「ゴールデン」マスター、つまり最終版となったことを宣言するまでの間、テストリリースにある多数のバグを取り除く作業に日夜追われていた。
同社が完成品に近い製品候補版のVistaを初めて公開したのは9月だった。そして、10月には2番目の候補版が公開されていた。
Vistaのリリースは、2001年のWindows XP以来となるデスクトップOSのメジャーアップデートになる。その変更点としては、新しいグラフィックエンジンやユーザーインターフェース、改良されたデスクトップ検索機能、新しいメディアプレーヤーやウェブブラウザなどが含まれている。そのほか、セキュリティや管理性、そして電源管理といった「目に見えない部分」も改良されている。
まだ先のことではあるが、Vistaがデビューするまでには非常に長い時間がかかった。Microsoftが「Longhorn」という開発コード名の新Windowsの開発について詳細を発表したのは、2003年10月の開発者会議でのことだった。
だがその後、検索機能の改良などの目標の一部をもっと扱いやすい方法で実現するため、Windowsチームで作業のやり直しが実施されたことから、当初の野心的な計画は実現不可能だと見なされた。そして、Microsoftは2004年4月に計画の変更を発表し、2006年の年末商戦までには発売できると述べていた。