アップル、LeopardとZFSの憶測めぐる真相を明らかに

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2007-06-13 13:48

 Appleの次期Mac OS X「Leopard」にSun Microsystemsの開発したZFSファイルシステムが導入されるか否かをめぐる報道について、Appleが事実を明らかにした。Appleは、Leopard にZFSを採用する点については認めたものの、まだZFSをデフォルトファイルシステムにはしていないと語った。

 Sunの最高経営責任者(CEO)であるJonathan Schwartz氏は先週、Appleが、同社主催の開発者向けカンファレンスWorldwide Developers Conference(WWDC)で、Mac OS X「Leopard」の標準ファイルシステムをZFSに変更する旨の発表を行う予定だと述べていた。しかし、米国時間6月11日、WWDCでこうした発表はなされなかった。また、Information Weekは同日、Appleのある幹部が、ZFSのLeopardへの採用を否定したと報じた。

 しかし12日に、この問題の詳細が明らかになった。どうやら、(Information Weekに登場した)Appleの幹部の発言は誤りだったようだ。Leopardは2つのファイルシステムをサポートする。1つは、現在Mac OS Xに採用されているHFS+で、もう1つが2005年に発表されたSunの次世代ファイルシステムZFSだ。しかし、ZFSの採用後もデフォルトオプションはHFS+のままだ。

 ファイルシステムとは、コンピュータ内に情報がどのように保存されているかを管理する仕組みのこと。ファイルシステムは複雑な構造をしており、オペレーティングシステム(OS)が変わっても、従来のファイルシステムがサポートされ続けることが多い。Windowsは2つのファイルシステムをサポートする。1つは旧来のFAT32で、もう1つはデフォルトのNTFSだ。NTFSは、1993年に発売されたWindows NTから導入された。

 AppleのHFS+は、Mac OS 8.1より導入された。そこにZFSが追加されるということは、ユーザーは、膨大な容量を利用できるなど、多くのメリットを享受できるようになることを意味する。Appleはいずれ、ZFSをMac OS Xのデフォルトファイルシステムにする可能性は高い。しかし、Sunさえも、自社の「Solaris 10」において、デフォルトファイルシステムをZFSに切り替えていない。これらの移行にはあと何年もかかりそうだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  2. セキュリティ

    迫るISMS新規格への移行期限--ISO/IEC27001改訂の意味と求められる対応策とは

  3. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  4. セキュリティ

    生成AIを利用した標的型攻撃とはどのようなものなのか?実態を明らかにして効果的な対策を考える

  5. セキュリティ

    こんなにあった!従来型SIEMが抱える課題──次世代SIEMに必須の“8つの要件”とは?

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]