Appleの次期Mac OS X「Leopard」にSun Microsystemsの開発したZFSファイルシステムが導入されるか否かをめぐる報道について、Appleが事実を明らかにした。Appleは、Leopard にZFSを採用する点については認めたものの、まだZFSをデフォルトファイルシステムにはしていないと語った。
Sunの最高経営責任者(CEO)であるJonathan Schwartz氏は先週、Appleが、同社主催の開発者向けカンファレンスWorldwide Developers Conference(WWDC)で、Mac OS X「Leopard」の標準ファイルシステムをZFSに変更する旨の発表を行う予定だと述べていた。しかし、米国時間6月11日、WWDCでこうした発表はなされなかった。また、Information Weekは同日、Appleのある幹部が、ZFSのLeopardへの採用を否定したと報じた。
しかし12日に、この問題の詳細が明らかになった。どうやら、(Information Weekに登場した)Appleの幹部の発言は誤りだったようだ。Leopardは2つのファイルシステムをサポートする。1つは、現在Mac OS Xに採用されているHFS+で、もう1つが2005年に発表されたSunの次世代ファイルシステムZFSだ。しかし、ZFSの採用後もデフォルトオプションはHFS+のままだ。
ファイルシステムとは、コンピュータ内に情報がどのように保存されているかを管理する仕組みのこと。ファイルシステムは複雑な構造をしており、オペレーティングシステム(OS)が変わっても、従来のファイルシステムがサポートされ続けることが多い。Windowsは2つのファイルシステムをサポートする。1つは旧来のFAT32で、もう1つはデフォルトのNTFSだ。NTFSは、1993年に発売されたWindows NTから導入された。
AppleのHFS+は、Mac OS 8.1より導入された。そこにZFSが追加されるということは、ユーザーは、膨大な容量を利用できるなど、多くのメリットを享受できるようになることを意味する。Appleはいずれ、ZFSをMac OS Xのデフォルトファイルシステムにする可能性は高い。しかし、Sunさえも、自社の「Solaris 10」において、デフォルトファイルシステムをZFSに切り替えていない。これらの移行にはあと何年もかかりそうだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ