マイクロソフト 樋口社長、Windows 7発売日発表で買い控えは「起こらない」

冨田秀継(編集部)

2009-07-07 23:46

 マイクロソフトは7月7日、2010年度(2009年7月~2010年6月)の経営方針を説明した。国内のWindows 7の発売日が発表された本記者会見では、同社代表執行役社長の樋口泰行氏が、2010年度への抱負を述べた。

 また、米国では発表済みのWindows 7の発売日について、PCメーカー各社との調整が難航したために発表が遅れたわけではないこと、そして発売日の発表に伴う買い控えは発生しないであろうとのコメントを、ZDNet Japanに寄せている。

東京・大手町にパートナーとの連携拠点となる検証施設を開設予定

マイクロソフト代表執行役社長 樋口泰行氏 マイクロソフト代表執行役社長 樋口泰行氏

 マイクロソフトは2010年度、企業向けビジネスでは「ソリューションセリング体制の更なる強化」「ソフトウェア+サービスの加速」「対競合優位性の徹底訴求」の3分野に注力する。

 ソリューションセリング体制の強化策としては、営業体制とサポート体制を充実させるほか、日本の顧客にも評価されうる品質レベルの製品を提供していきたい考え。「サーバサイド、ソリューションサイド(の営業を)をより加速したい」と樋口氏は語っている。

 こうした施策に合わせ、マイクロソフトは10月に「マイクロソフト 大手町テクノロジーセンター」を開設する。システムの導入と運用支援、製品品質を向上させるための拠点というだけでなく、産学連携による研究支援や、独立系のソフトウェアベンダーやハードウェアベンダーと連携して技術検証や開発支援を行う場となる。

 また、樋口氏が「持たざる経営」という観点から注目されているとみる、ソフトウェア+サービス分野にも力をそそぐ。樋口氏によれば、マイクロソフトの顧客には短期的なコスト削減策から、中長期的なローコスト体制への転換に着目する企業が増加。こうした着眼点の変化から、樋口氏は「資産を持たない経営ということで、クラウドコンピューティングへの期待が高まってきているのを感じる」と語っている。

 樋口氏はソフトウェアとサービスはどちらか片方が廃れていくのではなく、「両方が進化する」という見方を示している。「両方に投資していき、ソフトウェアとクラウドの良いとこ取りの視点でやっていきたい」(樋口氏)

ソフトウェアとクラウドの良いとこ取りを狙う「ソフトウェア+サービス」(画像をクリックすると拡大します) ソフトウェアとクラウドの良いとこ取りを狙う「ソフトウェア+サービス」(画像をクリックすると拡大します)

 対競合優位性という点では、エンタープライズ分野での技術力を徹底的に訴求していきたい考え。「本社のテクノロジーセンターにお客様をお連れすると、マイクロソフトのエンタープライズはこれほど進化しているのかと大変驚かれる」と樋口氏。従来からあるコンシューマ向けOSベンダーとしてのイメージを払拭し、ソリューションビジネスでも頼れる相手であることを訴えていきたい考えだ。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]