セールスフォース・ドットコムは9月15日、クラウドコンピューティングのイベント「Cloudforce Japan」を東京都内にて開催した。いまやクラウドサービスのリーダーとして存在感を示す同社のイベントは申込者が約6000人にのぼり、基調講演開始直前になっても受付では入場の順番を待つ参加者らの長蛇の列ができていた。
基調講演には、米Salesforce.com 会長 兼 CEOのMarc Benioff氏が登場、同社のクラウドサービスが日本郵政や損保ジャパン、ローソンといった大手企業にも採用され、「エンタープライズクラウドコンピューティングのグローバル標準となりつつある」と述べた。
Benioff氏は、クラウドサービスを提供するにあたって重要なことは「リアルタイムであることだ」と述べる。これをBenioff氏は「リアルタイムクラウド」と呼び、「リアルタイムクラウドを実現するには3つの層が必要だ」と述べる。
その3つの層とは、リアルタイムのクラウドインフラストラクチャと、スピーディーな開発を可能とするクラウドプラットフォーム、そしてそのプラットフォーム上で利用できるクラウドアプリケーションだ。このように、「サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS:Infrastructure as a Service)」、「サービスとしてのプラットフォーム(PaaS:Platform as a Service)」、「サービスとしてのアプリケーション(SaaS:Software as a Service)」の3つの層のすべてを提供できるのは「Salesforce.comだけだ」とBenioff氏。
中でもクラウドアプリケーションは、Salesforce.comが最初に手がけたサービスだ。CRMやSFAなどのアプリケーションをサービスとして提供し、徐々にユーザーを増やしてきた同社だが、Benioff氏はこのクラウドアプリケーションを、営業関連ツールの「Sales Cloud」と、CRMなどカスタマーサービスに直結する「Service Cloud」、自由にカスタマイズできる「Custom Cloud」の3種類に分類した。
Sales Cloudは同社が設立当時から提供してきたアプリケーションで、売上予測や分析、リードおよびキャンペーン管理など、セールス関連のアプリケーションが用意されている。また、Custom Cloudについては「特に日本でニーズが高い」とBenioff氏は述べ、「さまざまなアプリケーションを組み合わせて導入する場合、通常であれば開発に数カ月から数年かかってしまうが、われわれのクラウド開発プラットフォームを使えば数日から数週間で開発が終わる」とアピールした。