「Ubuntu」の次期バージョン、マルチタッチをサポートへ

文:Stephen Shankland(CNET News) 翻訳校正:佐藤卓、小林理子

2010-08-17 12:43

 「Linux」ディストリビューション「Ubuntu」の次期バージョンに、マルチタッチインターフェース機能が搭載されることになった。これで、Linux OSが、少なくとも1つの分野で「Windows」と「Mac OS X」に追いつくことになる。

 「主要なPCメーカーはどこも、Linuxにタッチ機能を搭載することを望んでいる。この機能は、PCのエコシステムにおいてLinuxに欠けている大きなポイントの1つだった」と、Ubuntuの開発とサポートを手がけるCanonicalの創設者Mark Shuttleworth氏は述べている。ただし、マルチタッチがサポートされるのは、次期バージョンである「Ubuntu 10.10」(開発コード名「Maverick Meerkat」)からの予定だ。

 マルチタッチ機能の追加は簡単ではない。とくに、Linuxというオープンソースの世界では、多数の独立した組織やプログラマーが関わっているためだ。そこで、Canonicalのプログラマーは、さまざまなレイヤのLinuxソフトウェアを使用してマルチタッチ機能を構築し、ジェスチャー認識サポートツールを作成し、Linuxのプログラマーがマルチタッチを簡単にサポートできるようにするためのインターフェースを追加した。

 Shuttleworth氏によれば、アプリケーションやアクションによっては、変更を加える必要がまったくないものもあるという。たとえば、「GNOME」の「GTK」や「KDE」の「Qt」といったデスクトップ環境のインターフェース要素を使用するアプリケーションやアクションでは、リストをスクロールダウンするなど一部のマルチタッチジェスチャーが自動的に利用できるようになるという。

 今回のマルチタッチへの対応は、Shuttleworth氏が米国時間8月16日に自身のブログで明らかにしたもので、詳しい内容はCanonicalのブログおよびUbuntuの開発者向けメーリングリストの告知に記載されている。

 マルチタッチインターフェースを利用すると、コンピューティングデバイスでトラックパッドやタッチスクリーン上の複数の接触点を同時に検知できるようになる。マルチタッチで有名なのは「iPhone」と「iPad」、そして「Mac」ノートブックだが、コンピュータを直感的かつ物理的に操作する方法として、マルチタッチは今や着実に主流の方式となりつつある。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Pマーク改訂で何が変わり、何をすればいいのか?まずは改訂の概要と企業に求められる対応を理解しよう

  2. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  3. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. セキュリティ

    クラウド資産を守るための最新の施策、クラウドストライクが提示するチェックリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]