「Linux」ディストリビューション「Ubuntu」の次期バージョンに、マルチタッチインターフェース機能が搭載されることになった。これで、Linux OSが、少なくとも1つの分野で「Windows」と「Mac OS X」に追いつくことになる。
「主要なPCメーカーはどこも、Linuxにタッチ機能を搭載することを望んでいる。この機能は、PCのエコシステムにおいてLinuxに欠けている大きなポイントの1つだった」と、Ubuntuの開発とサポートを手がけるCanonicalの創設者Mark Shuttleworth氏は述べている。ただし、マルチタッチがサポートされるのは、次期バージョンである「Ubuntu 10.10」(開発コード名「Maverick Meerkat」)からの予定だ。
マルチタッチ機能の追加は簡単ではない。とくに、Linuxというオープンソースの世界では、多数の独立した組織やプログラマーが関わっているためだ。そこで、Canonicalのプログラマーは、さまざまなレイヤのLinuxソフトウェアを使用してマルチタッチ機能を構築し、ジェスチャー認識サポートツールを作成し、Linuxのプログラマーがマルチタッチを簡単にサポートできるようにするためのインターフェースを追加した。
Shuttleworth氏によれば、アプリケーションやアクションによっては、変更を加える必要がまったくないものもあるという。たとえば、「GNOME」の「GTK」や「KDE」の「Qt」といったデスクトップ環境のインターフェース要素を使用するアプリケーションやアクションでは、リストをスクロールダウンするなど一部のマルチタッチジェスチャーが自動的に利用できるようになるという。
今回のマルチタッチへの対応は、Shuttleworth氏が米国時間8月16日に自身のブログで明らかにしたもので、詳しい内容はCanonicalのブログおよびUbuntuの開発者向けメーリングリストの告知に記載されている。
マルチタッチインターフェースを利用すると、コンピューティングデバイスでトラックパッドやタッチスクリーン上の複数の接触点を同時に検知できるようになる。マルチタッチで有名なのは「iPhone」と「iPad」、そして「Mac」ノートブックだが、コンピュータを直感的かつ物理的に操作する方法として、マルチタッチは今や着実に主流の方式となりつつある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。