マイクロソフトは10月12日、PtoPファイル交換ソフト「Winny」経由で感染する「Antinny」ワームの駆除が可能なツール「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」を提供開始した。同社が日本データ通信協会テレコム・アイザック推進会議(Telecom-ISAC Japan)からの要請を受け、Antinny対応版をリリースしたもの。
マイクロソフトは、セキュリティ更新プログラムの提供に合わせて、削除ツールを毎月公開しているが、10月度のバージョンよりAntinnyワームを駆除対象に含めた。
Antinnyは、Winnyを介してPCに感染するワーム。感染すると、PC内の情報を勝手にWinny経由で共有してしまう。共有された情報はWinnyのPtoPネットワークを構成している複数のPCに分散配置されるので、情報削除は事実上できない。
Antinnyは亜種も多く確認されており、亜種の中には、ファイルやレジストリの削除、ウイルス対策ソフトの停止、Hostsファイル改ざんをするものもある。さらに、いくつかのホストへのアクセスを無効化したり、特定のサーバに過大な通信負荷を与えたりする例も確認された。
Windowsのアップデート機能である「Microsoft Update」および「Windows Update」「Windows Server Update Services(WSUS)」を利用すると、同削除ツールでAntinnyを駆除できる。同社はウェブサイトでも駆除サービスを提供している。さらに、ダウンロードサイトでは同削除ツールの単体入手も可能だ。