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日本は世界で最も仮想化の利用が遅れている:シマンテック調査

渡邉利和
2007/11/28 16:46

 シマンテックは11月27日、「データセンターに関する最新動向の調査レポート」(State of the Data Center Research)を発表した。全世界11カ国の「Global 2000」ランクイン企業および大規模な公共事業体のデータセンター管理者を対象に行なった調査で、サーバ統合や仮想化の利用などに注目し、データセンターにおけるコスト削減手法や現状での課題について聞いたもの。

最大の課題はSLAの徹底と人材確保

 本調査によれば、データセンター管理者の最大の課題は、「厳しい社内のサービスレベル契約」「データセンター自体の拡張」「人材確保」だったという。

  • 回答者の65%が自社内に正式な内部用のSLAが存在すると回答
  • 32%は要求されるサービスレベルが急速に増大していると回答
  • 51%は要求されるサービスレベルを満たすことが過去2年間でより困難になったと回答

といった結果が得られたという。ただ、日本ではSLA(Service Level Agreement)に対する認識が若干異なるようだ。

金崎裕己氏 金崎裕己氏

 調査結果について説明したシマンテック マーケットインテリジェンスマネージャの金崎裕己氏は、「自社内に正式な内部用のSLAが存在する」とした日本の回答者は53%、「SLAの要求が急速に高まった」との回答が7%、「SLAの遵守が過去2年間で困難になった」との回答が22%と、全世界平均に比べていずれも明確に低いことを指摘し、「日本には明文化された規則を用意する文化がまだ根付いておらず、SLAと言っているのも比較的緩い運用基準的なものではないか」との分析を示している。

 一方、日本では人材不足を問題視する回答者の率が世界に比べて高く、これらの状況を考え合わせると、日本においてはデータセンターの運用が人に依存する割合がいまだに高く、「任せた」というかたちの放任主義から脱していない状況が窺えるという。

仮想化への対応

 サーバ統合や仮想化に関しては、関心こそ高いものの、既に運用を開始しているという回答が世界に比べて明らかに低いのも日本の特徴となる。これに関して同氏は、「仮想化された環境は、正常に稼働している場合にはコスト削減が実現できるが、いざトラブルが生じた場合には関連するアプリケーションやリソースが多岐にわたるため、対応に高度な技術力が求められることになる」点を指摘している。属人的な運用が根強く残る日本では、運用管理ツールの対応の遅れなどもあり、仮想化環境の導入には慎重な姿勢を見せる回答者が多い。これは、トラブルに対応できる技術力を備えた人材を確保するのが難しいことの影響でもある。さらに言えば、こうした人に頼った運用を続けていることが新技術の導入を困難にしている面があるという。

 回答者を「世界平均」「日本を除くアジア太平洋地域」「日本」に分けて仮想化技術の導入状況を訊ねた調査の結果でも、日本は世界で最も仮想化の導入が遅れている国となっているという結果が得られている。

データセンターへの仮想化技術の導入 データセンターへの仮想化技術の導入

 また、「データセンターにおいて試した/導入したサーバーの仮想化技術」に対する回答でも、日本に特異な傾向が見える。「Sun Solaris Zones」の利用が極めて低いこともその1つだが、「VMware ESX」も日本のみ極めて低い評価/導入率となっている。

データセンターにおいて試した/導入したサーバーの仮想化技術 データセンターにおいて試した/導入したサーバーの仮想化技術

 この理由について金崎氏は、「日本でVMwareが浸透していないということではなく、ローカライズの問題などで日本への導入に時間が掛かる傾向があり、調査時点ではタイミング的にまだ間に合わなかったのではないかと見ている」としている。また、「その他」という回答が多いのも日本に独特の傾向だが、これに関しても同氏は「サーバの仮想化に関する質問なのだが、ストレージの仮想化など、他の仮想化技術と混同したのでは」との見解を示し、日本でのみ普及している特別な仮想化技術が存在しているという状況は、確認されていないとした。

 こうした点から見る限り、仮想化の活用に関しては、少なくとも日本国内の大企業においては話題になっているほどには普及しておらず、理解度もまださほど高くないのではないかと思わせる結果となっている。

 なお、シマンテックはこの調査結果をコンサルティングサービスなどに活用するほか、ソフトウェア製品開発にも反映させていくとしている。


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