グーグル、「Android」のルートアクセスに関する脆弱性を修正へ

文:David Meyer(ZDNet.co.uk) 翻訳校正:緒方亮、小林理子

2008-11-11 11:02

 携帯端末プラットフォーム「Android」に、コマンドライン命令が自動的にルート権限で実行されてしまうバグが見つかっている。

 このバグは先週末に発覚したもので、Googleは現地時間11月10日、ZDNet UKに対し修正パッチはすでに開発済みだと語った。しかし、通信事業者のT-Mobileは、同社の携帯電話「T-Mobile G1」のユーザーにいつそのアップデートを通知するのかをまだ発表していない。T-Mobile G1はAndroidを採用した初めての、そして現時点では唯一の携帯電話だ。

 「この問題について指摘を受け、修正パッチは開発済みだ」とGoogleの広報担当者は語った。「現在、パッチの公開に向けて各パートナーと協力して取り組んでおり、ベースとなるソースコードをこれらの変更を反映したものに更新している」。

 この脆弱性では、ファームウェアが最新ではないAndroid搭載携帯電話の場合、コマンドラインと認識されうるものがアプリケーションから実行されてしまう可能性がある。これは、Androidが入力されたテキストを読み込んで自動的に解釈し、それに従っていることを意味するものでもある。たとえばAndroidのフォーラムにあるバグのスレッドには、テキストでやりとりしていたら突然、携帯電話が再起動されたことを指摘する書き込みがある。

 「女の子とテキストでやりとりをしていたとき、なぜ返事をよこさなかったのかと尋ねられた」と「jdhorvat」氏は書いている。「自分の携帯電話を再起動をしたばかりだったので、返事は単に『再起動』(Reboot)とだけ打ち込んだ。すると驚いたことに、携帯電話が再起動された」。

 Googleの広報担当者はZDNet UKに対し、T-Mobile G1の「脱獄」(ほかの通信事業者のSIMカードを利用できるようにすること)をできなくする修正に同社が取り組んでいるなか、問題が明らかになったと語った。その上でこの担当者は、この問題が攻撃に利用されたという報告はいっさい受けていないことを強調した。

 先に取り上げたフォーラムのスレッドによると、問題が見いだされているのは、ファームウェアが現行版のRC30より古いものに限られるという。

 今回の脆弱性の前には、Androidのブラウザに見つかった脆弱性が広く報じられていた。こちらは、ユーザーがだまされてマルウェアを仕掛けられたウェブサイトを訪問するおそれがあるというものだった。Googleはすでに、この脆弱性の修正パッチを出している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    Google Chrome Enterprise が実現するゼロトラスト セキュリティの最新実情

  2. セキュリティ

    ブラウザの可能性を Google Chrome Enterprise で追究、セキュリティ実現には?

  3. ビジネスアプリケーション

    NTTグループが17万ユーザーの決裁システムを抜本的に改革、プロジェクトの鍵を握るサービスとは

  4. モバイル

    目前の「Windows 10」サポート終了、「Windows 11」への移行負担を解消する最適解とは

  5. ビジネスアプリケーション

    ITSM徹底解説!ビジネスに関わる全ての方へ--「ITSMクイックスタートガイド」

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]