CRM(Customer Relationship Management)ソフトウェアをオンデマンドで提供するSalesforce.comは米国時間21日、企業が外部プログラムを構築し、Salesforceのサービスに統合するのを支援する技術やオンラインビジネスツールの最新版を発表した。
Salesforceは今後、企業ユーザーがSalesforceのオンデマンドサービスと連携するカスタムアプリケーションを開発/配布するのを支援していく意向だ。同社では最新版「Summer '05」をそのための重要な第一歩と位置づける。
Summer '05には、すでに発表されていたCustomforce 2.0(Salesforceのアプリケーションをカスタマイズできるツール)のほか、Multiforce 1.0が新たに加わる。Multiforce 1.0は、ユーザーがSalesforceのサービスから、ホスティングされた別のカスタムアプリケーションに直接アクセスできるようにする目的で開発された。
同社はMultiforceについて、ユーザーがさまざまなアプリケーションを利用できるようにするプログラムであると述べ、MicrosoftのWindowsオペレーティングシステムと同じような機能を果たすと付け加えた。同社の幹部によると、Multiforceは、SAPやOracleといったライバル企業がこれまで「ポータル」と称してきた技術とは一線を画すものだという。
Salesforceは今回、Sforceのアップデートも行っている。同技術を利用することで、企業はSalesforceのアプリケーションと他のソフトウェアを統合することができる。それに対し、Multiforceを使えば、ユーザーは特定のニーズを満たすホスティングアプリケーションを開発/実装することができると同社は述べる。
「わが社では、今後3年間であらゆるアプリケーションがオンデマンドで配信されるようになると考えている。こうした状況下でも、企業は、ベンダー各社が提供するホスティングアプリケーションを利用するだけでなく、自社アプリケーションを構築し管理できるようでなければならない」と同社のグローバルマーケティング担当シニアバイスプレジデントPhill Robinsonは述べる。「追加機能を統合していくのも手だが、われわれは、企業ユーザーがこれまで構築できなかったようなアプリケーションを、MultiforceとCustomforceを利用して開発してくれることに期待している」(Robinson)
Robinsonによると、SalesforceのユーザーはMultiforceを利用して、SalesforceのCRMツールにアクセスするのと同じインターフェースから、ホスティングされたカスタムアプリケーションを稼働できるという。他社のホスティングサービスに加え、このようなカスタムツールを利用する機会を企業に提供することで、Salesforceは「オンラインアプリケーションのエコシステム」を構築できる、とRobinsonは説明する。これは、SAPなどのライバルが提供する統合ソフトウェアシステムと競合するものだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ