Microsoftがソースコード共有の体制を簡略化して、サードパーティとの連携を強化しようとしている。
Microsoftは米国時間18日、「Shared Source Initiative」用のウェブサイトに、新しい3件のライセンスの詳細を掲載した。同社は、いずれのライセンスも短く理解が容易で、使用も簡単だと述べている。
MicrosoftのShared Source Initiativeは、ソフトウェア企業や大規模企業ユーザーなどのサードパーティに、同社のソースコードの一部の参照を許可するプログラムだ。そうしたコードを参照できれば、Windows CEといったMicrosoft製品とうまく連動する製品や、同コードに基づく新たな製品の開発が可能になる。
これまでMicrosoftは10件以上のライセンスを提供してきたが、その多くが特定の製品や、教育機関/システムインテグレーター/ソフトウェア開発者/自治体ユーザーなど特定の対象者に関係するものだった。
Microsoftで同プログラムのディレクターを務めるJason Matusowは米国時間19日、「他者や他組織の例と同じく、当社においてもソースコードライセンスの膨脹が問題になってきた」とブログに書き込み、さらに「Shared Sourceライセンスはすでに10件以上提供していたが、開発コミュニティと協働するためにソースコードをリリースしようと考える製品グループが多くなり、ライセンス数は増える一方だった」と記した。
Microsoftはサードパーティにコードの閲覧を一部許可しているが、同社のコード共有ライセンスの中で、Open Source Initiative(OSI)がオープンソースであると認めたものは1つもない。また同社の関係者も、新ライセンスのうち2件がOSIの基準を満たしているが、認可を得るためにこれらをOSIに提出する意向はないと述べた。
新たな3件のライセンスの概要は、次のようになっている。
- Microsoft Permissive License:主に開発者向け製品のためのライセンスで、開発者がMicrosoftのソースコードを参照/変更/再配布できる。ライセンス取得者は、本来のソースコードに加えた変更に課金することも可能だ。
- Microsoft Community License:共同開発プロジェクトに向けたもの。互恵的なライセンスで、ライセンス取得者はMicrosoftのコードに対し、ソースコードフォームを利用して変更を還元する必要がある。人気の高い「Mozilla Public License」に倣ったライセンス。
- Microsoft Reference License:最も厳格なライセンスで、Microsoftのコードを閲覧して参考にはできるものの、修正は不可能になっている。
オープンソース企業やオープンソース製品の存在は、Microsoftにとって最大の問題の1つだ。しかしここ数年は、Linuxなどのオープンソース製品との連携を強め、オープンソース開発の手法や特にその開発者を取り込もうと、同社は努力を重ねてきている。
Microsoftは新しい3ライセンスに関する発表の中で、ソース共有ライセンスを通して利用できる同社製品の数を今後も増やしていくつもりだと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ