OpenDocumentフォーマットで保存されたファイルをMicrosoft Officeでも使用可能にするプログラムを、あるソフトウェア開発者のグループが開発した。このプログラムが、互換性のないデスクトップアプリケーション間の掛け橋となる可能性がある。
オープンソースプロジェクトの「OpenOffice.org」に携わるエンジニアで、OpenDocument Foundationの創設者でもあるGary Edwards氏は米国時間4日、(SCOのLinux訴訟を追求している)ウェブサイト「Groklaw」で、「ODF Plugin」というこのソフトウェアについて説明した。
Edwards氏によると、およそ1年間の開発期間を経て、先ごろ初めてのテストが終了したばかりのこの新しいプログラムは、Microsoft OfficeでOpenDocumentフォーマット(ODF)ファイルを扱えるようにすることを目的としたものだという。
「ODF Pluginは、『ファイル』メニュー内の『open(開く)』『save(上書き保存)』『save as(名前を付けて保存)』という一連のメニュー項目の一部として、自然かつ明確な形でインストールされる。エンドユーザーや他のアプリケーション用のアドオンに関する限り、ODF PluginはODF文書をMS Officeで作成された文書であるかのように表示する」(Edwards氏)
ODF Pluginが利用可能になるのはまだ先の話だが、仮に同ソフトがEdwards氏の説明通りに機能するとすれば、MicrosoftとOpenDocumentの支持者らの間で展開されている争いの方向性を大きく変えることになる。OpenDocumentは最近関心を集めつつある文書フォーマットで、特に各国政府の間で人気が高まっている。
Microsoftは2006年中に登場予定の「Office 2007」では、OpenDocumentのネイティブサポートは行わない。その理由として同社の幹部らは(OpenDocumentのサポートに対する)需要が乏しいことに加え、OpenDocumentはOfficeフォーマットに比べ機能性で劣るためと説明している。
市場調査会社RedMonkのアナリスト、Stephen O'Grady氏は(MicrosoftがOffice 2007でOpenDocumentをサポートしない理由について)、OfficeでOpenDocumentファイルの保存を可能にするサードパーティーの製品を導入すれば、市場でOpenDocumentベースの製品の人気が上昇しかねないため、と分析する。
OpenDocumentはオープンソースデスクトップ生産性スイート「OpenOffice」のネイティブフォーマットだが、「KOffice」やSun Microsystemsの「StarOffice」、さらにIBMの「Workplace」といった他のスイート製品でもサポートされている。
「人々に、OpenDocumentと元々互換性のあるフォーマットで文書を作成させたいのであれば、(その人々にOpenDocumentベースのアプリケーションに乗り換えさせることは)長期的に見て重要な第一歩だ」とO'Grady氏は語る。
しかし一方で、この新しいOpenDocumentプラグインの登場により、Microsoft Officeと競合するソフトウェアを採用する人がいなくなる可能性がある。ODF形式で文書を保存したいと考える人々もMicrosoft Officeを使用できるため、わざわざOpenOfficeなどの代替製品を使用する必要がないためだ。「(OpenDocumentプラグインの登場は)Microsoftにとって大きな追い風となる可能性がある」とO'Grady氏は指摘する。
MicrosoftのAlan Yates氏(Information Worker事業部ゼネラルマネージャー)は5日、同社はODF Pluginの開発者らとは連携していないと語った。しかし、同氏はこのプラグインが開発されたことについて、それほど驚いていないという。
「あるファイルフォーマットから別のフォーマットへの変換を可能にするツールをサードパーティーが開発することは常に予想していた。」(Yates氏)
同氏はさらに、「まだ(そのプラグインを)実際に見たわけではないが、おそらくそれは、マーケット主導型の技術的解決策が顧客の互換性に対するニーズにいかに対処できるかを示す証拠となるだろう」と付け加えた。
関連情報
-
欧州委員会、OpenDocumentの支持に難色
欧州委員会は、たとえ国際標準化団体がOpenDocumentファイルフォーマットを承認したとしても、同フォーマットを推奨することには消極的なようだ。 - OpenDocument、ISO/IECが標準規格として批准
- マイクロソフト、「OpenDocument Format」の推進委員会に参加
- マイクロソフト、欧州で勝利--Officeのファイルフォーマットが標準化へ
- Microsoft
「ソフトウェア」 のバックナンバー
-
サイボウズ、Windows phone向け「サイボウズモバイルKUNAI」を発表--iPhoneやAndroidへも展開
サイボウズは、大規模向けグループウェア「サイボウズ ガルーン2」と連携するWindows phone用同期アプリケーション「サイボウズモバイル KUNAI for Windows phone」と、BlackBerry用同期ソフト「サイボウズモバイル Sync for BlackBerry」を発表した。 -
CA、ログ管理ソフト最新版--内部統制などコンプライアンスレポート作成を支援
-
マンハッタン、物流や輸配送を管理する実行系SCM「Manhattan SCALE」最新版
-
SCS、ERPをプライベートクラウドで提供--企業グループの情報基盤を標準化
-
ガルーン 2、他社製品とのスケジュール同期ソフト--ExchangeやNotesなどに対応
- ソフトウェア 一覧へ »
企画特集

-
事例 VMwareでデータセンターをクラウド化
富士通の開発環境を効率化したクラウドのノウハウ -
経営統合後の事業損益構造の見える化を実現
SAS Performance Managementの導入事例紹介!! -
御社はまだフリーの転送サービスですか?
大容量ファイルの受け渡しに「ルール」と「安心」を -
通販サイトのアクセス集中からの危機を救う
4つのケーススタディからWebシステムを徹底解説 -
利用者の理想を追求した最新レンタルサーバ
サイト制作事業者がその評価結果を徹底レポート! -
DBのパフォーマンスに困ってませんか?
既存のデータベース環境に追加するだけで性能が2倍に -
仮想化をダメにするストレージの実態
求められるストレージ正常化のキーワードとは? -
アンケートから見るセキュリティ対策の実態
8つの機能が中小企業の情報資産を守る -
レガシーアプリケーションの稼働どうしてる?
互換性の問題、あなたはどう考える?意見募集中! -
新しい視点のレンタルサーバが誕生!
スタートアップ企業、開発者に最適なそのポイントとは? -
仮想環境のバックアップは難しいのか
効率的なバックアップへの2ステップを解説 -
アプリケーション仮想化 3つの課題
最新のCosminexus V8.5の知られざる実力 -
身近な業務をCRMが変革!
実は、埋もれた情報が鍵だった -
ビジネスを支えるWebシステム最前線
システムトラブルの6割が、ソフトウェアに原因あり
-
7. ホットスポットと同時並列性分析について
この3分間のビデオは、Intel Parallel Studioの一部であり、アプリケー... -
8. Valarray
この5分間のビデオでは、Intelコンパイラの1次元Valarrayデータ構造に対...
新着企業動向
-
ママとみんなの育児総合サイト「ケータイ☆こそだて帳」、サービス開始4周年でコミュニティ機...
テンダ -
SANS SECURITY 560「Network Penetration Testing and Ethical Hacking」
NRIセキュアテクノロジーズ -
【EMCジャパン Tech Communityサイト】社内インフラにプライベートクラウドを導入したEMC
EMCジャパン -
WisePoint
ファルコンシステムコンサルティング - 企業動向一覧へ»
