Black Duckが米国時間6月30日に発表した調査結果によると、GNU General Public License(GPL)の市場シェアは、そのすべてのバージョンを含めたGPL全体のシェアとして見ると低下しているという。
一方、Black Duckによると、MicrosoftのオープンソースソフトウェアライセンスであるMicrosoft Public License(Ms-PL)がオープンソースの世界でより支持されるようになってきているという。
今回の調査結果は、オープンソースコードの開発者向けにサービスや製品を提供しているBlack Duckによって、インターネットから収集した20万件を超えるオープンソースプロジェクトのデータベースから導き出されたものである。
同社によると、GPLはオープンソースライセンスとして最も人気が高く、この調査における約65%のプロジェクトで使用されているという。また、GPLv3ライセンスを採用しているプロジェクトの数は、2008年6月の2345件から、今回の調査結果である9500件と、この1年で4倍に増加しているという。
GPLv3はこの1年で、MozillaやMIT、Apacheのライセンスを抜き、BSDライセンスに続く第5位の座に付けている。Black Duckは、GPLv3が約6カ月後にBSDライセンスを抜くだろうと予想している。
しかし、GPL全体としてのシェアは1年前には約70%であったのに対して、現在では約65%と5ポイント低下しているという。
Black DuckはGPLの優位性がこのように低下している原因として、コードの利用形態に関する制約がより少ないライセンスを選ぶようになってきているソフトウェア開発者やユーザーの「実用主義」を挙げている。
同社のエグゼクティブバイスプレジデントであるPeter Vescuso氏は声明において「多くの開発者らは、今日のマルチソース開発環境におけるオープンソースのより幅広い採用と価値に力点を置き、より制約の少ないライセンスを選択するようになってきている」と述べている。
Black Duckによると、Ms-PLはこういったトレンドに乗り、今回の調査では10位に付け、調査対象プロジェクトの1.02%によって採用されているという。
またBlack Duckは、ほとんどのMs-PLプロジェクトがMicrosoftの「CodePlex」ウェブサイトで公開されており、Windows向けや.NET向けのものとなっているとも述べている。
さらにBlack Duckは、この1年の間により多くのソフトウェアプロバイダーが「オープンコア」ライセンスモデルに移行しているとも述べている。同社によると、このモデルは、MySQLやPostgreSQL、Continuentといったオープンソースソフトウェアのコアに企業がプロプライエタリな拡張を施し、提供するというものであるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ