コラムニストのJohn Dvorak氏が面白いことを言っていた。これには一理ある。これはSaaS(Software-as-a-Service)プロバイダーにとってはあまり顧客に詮索して欲しくない点だろうが、いいところを突いている。
MicrosoftのWindows Genuine Advantageサーバが19時間にわたってサービス障害に陥った件について、Johnは次のように書いている。
今回の件でわかったことは、こうしたウェブベースのアプリケーションは信頼性が低いということだ。
この意見は間違っているだろうか。
次のことを考えてみて欲しい。SaaSの世界では、従来のプロプライエタリな世界と比較にならないくらい、何か障害が発生した場合にユーザーはまったくお手上げになってしまう。コードが手元にないばかりか(自社導入型のデスクトップ、サーバソフトウェアであればコードがあるだろう)、トラブルシューティングのために派遣できるITスタッフもいない。100%ベンダーに依存するしかないのだ。
SaaSについて、私はサービスに注力している点を評価している。実は結構好きだ。そして一般的にSaaSのベンダーはアップタイムを維持するために多大な時間と資金をつぎ込んでいると思う。
しかし、ベンダーにもまったく手に負えない事柄がある(ユーザーの建物までのブロードバンドリンクの障害など)。そのためJohnが後の方で書いている次のようなコメントがきわめて妥当に思えてくる。
私は、ある種のトレンドの非理論性を分析しようと思ったときには、自ら「時系列の逆転」と命名した空想ゲームをやってみる。「もし時間の流れが逆転したらどうなるだろうか」と自問するのだ。今回のケースでは、サーバベースのオンラインアプリケーションからスタートすることになるが、その後、突如として新しいテクノロジ――クワッドコアプロセッサと巨大なハードディスクを搭載したデスクトップコンピュータ――が登場する。今後はすべてのコンピュータ作業をオンラインでやる必要がなくなる。時間の流れが逆転したのだ。
広告のコピーもイメージできる。「これからは自分で自分のデータを管理しよう!」「高速な処理能力の実現」「激安!」「あらゆる操作を指先ひとつで!」「ネットワーク障害はもはや心配無用」「高速、安価、さらなる信頼性」などなど。シュリンクラップされたソフトウェアパッケージの方が不安定なオンラインアプリケーションよりもはるかに優れていると喧伝する派手なマーケティングの文句が聞こえてくるようだ。「逆転の時系列」ゲームにおいてデスクトップコンピュータが登場するときのセリフは「そろそろ来ると思っていた!」で決まりだろう。
不幸にも、Johnのコメントはそれほど的外れではないかもしれない。だからこそ、企業は自社のデータ、コンテンツをオープンスタンダードで所有し、自社のソフトウェアをオープンソースで所有するのがベストだと私は思うのだ。おそらくはオープンソースとSaaSをうまく組み合わせる良い方法があるかもしれない。それを仮に「オープンSaaS」とでも呼ぶことにしよう。しかし、誰かがオープンSaaSを実現してくれるまでは、SaaSになにがしかの資金を投下する場合はかなりの慎重を期すべきである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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