OSSであるLinuxは、無償で手に入れることができるソフトウェアであるという性格上、そのものを販売して利益を得ることは難しい。そこで同社は、“サブスクリプションモデル”という仕組みを採用した。
Red Hatが採用したサブスクリプションモデルとは、Linux自体は無償で提供し、そのサポートに対して年間購読契約を結んでもらうことで対価を得るという手法。これが同社のビジネスの肝となってきた。
1999年に設立されたRed Hatの日本法人、レッドハットで代表取締役社長を務める藤田祐治氏は、「サブスクリプションモデルこそが、レッドハット成長の最大のポイントでした。Linuxはソフトウェアそのものから対価を得ることはできません。そこで使用時にサポートにより対価を得るというビジネスモデルを確立したことに意義があります」と話す。
サブスクリプションモデルの確立によりレッドハットは、日本市場においても、売り上げ、利益共に、毎年2倍の成長を続けてきた。しかし同社は、この急成長にもおごることなく、次へのステップを踏み出している。
藤田氏は、「2年前にレッドハットに就職したとき、“レッドハットです”とか“Linuxです”などと話しをしても、返ってくる反応は“大丈夫なの?”というものでした。これは、OSSに対するもの、Linuxに対するもの、サポートに対するもの、レッドハットという会社に対するものなど、あらゆるものに対しての心配でした」と当時を振り返る。
「しかし最近ではこうした心配も無くなりました。日本でもOSSに対する評価は確立したといえるでしょう。現在では、“OSSで大丈夫なのか?”という議論から“OSSをいかに活用していくか”に移り変わっています」と藤田氏は言う。
こうしたOSSへの評価は、Linuxの進化だけではなく、データベースのPostgreSQLやメールサーバのSendmail、開発環境のEclipseなど、エンタープライズ分野で利用できるソフトウェアが増えてきたことも要因のひとつといえる。また、Sun MicrosystemsがJavaをOSSとして公開したことでも状況は大きく変化したという。
「これまでOSSといえばLinuxと例えられるほどでしたが、今やレッドハットでさえミドルウェアのJBossを提供している時代です。OSS市場においてビジネスの幅が非常に広がってきたので、我々自身も変化しなければならないときが来ているのです」(藤田氏)
具体的な取り組みとしては、2007年4月に「Red Hat Enterprise Linux 5(RHEL 5)」をリリースしているが、この発表にあわせ単にLinuxの最新版を提供するだけではなく、RHEL 5を中核としたソリューションを提供する企業に変化することを明らかにしている。
「ここでいう“ソリューション”とは、単にLinuxを中心としたソリューションではなく、データベースやミドルウェア、アプリケーション、そしてサービスまでも含めたスタックとしてのソリューションを指しています」と藤田氏。
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