この運用の枠組みは徹底されたものとなっており、もしMicrosoft Officeを自分のPCにインストールしたいのなら、「申請書類を提出、上長と担当役員の承認を得た上でMicrosoft Officeのライセンスを渡す」(神谷氏)という体制になっている。しかも、エンドユーザーが秘密裏にMicrosoft Officeをインストールすることもできない。すべてのクライアントPCは、「資産管理システムで管理されており、こっそりとインストールされたMicrosoft Officeも把握することができる」(簑輪氏)からだ。
アシストがOpenOffice.orgを導入したのは約1100台あるうちの約700台だ。残りの400台ではMicrosoft Officeが利用されている。これは、同社がOracle DBやJP1の販売・サポートを展開しているためだ。これらのミドルウェアは、Microsoft Officeとの連携機能を活用しているものが多く、ユーザー企業にサポートをきちんと提供するためには、Microsoft Officeの環境を残しておく必要があるからだ。
ライセンス削減というメリット
このように社内で実サービスにおけるノウハウを蓄積した上でアシストでは、OpenOffice.orgへの導入支援サービスを開始してからの数カ月の間に、具体的な実績を残しているという。
「企業全体の規模で言えば、数百人から数万人といった企業で段階的な導入が始まっています」(神谷氏)
そうした企業は、「ライセンスのコストを削減したいという目的をはっきりと明示してきています」(同氏)という。そうした企業の目的意識を神谷氏はこう説明する。
「OSにしてもオフィスソフトにしても、メーカー側のバージョンアップに対応しなくてはいけないと思っていた。しかし、バージョンアップしたことで使えるようになる機能というのは、価値があまりないというのが実情。そうした価値のない、意味のないバージョンアップはあまりしたくないというのが、企業ユーザーの本音です」
意味のないバージョンアップはしたくないという企業が考えているのは、システムにかかるコスト、「特にクライアントPC周りに関連するモノの購買で選択肢が存在しないのはおかしい」(同氏)ということでもある。こうした考えの企業は大企業でも同様だ。
「今、引き合いをもらっている企業の中には、東証一部に上場しているような大企業もいます。大企業は保守的なところがあるだろうから、あまり引き合いがないのではと思っていただけに、意外に思っています。逆に考えると、数千人や数万人といった従業員を抱えている大企業ほど、コスト削減効果が大きいので、そうした考えは当然といえば当然なのですが」(同氏)
目に見えなかったオフィスソフトのライセンス
企業の経営層が求めるコスト削減圧力は、至る所に及んでくる。それは、サーバを中心にした情報システムでも同様だ。情報システムの場合、かかる金額が大きいだけに、どうしても目につきやすいがために、そこに対するコスト削減圧力は大きく感じる。
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