だが、経営層のコスト削減圧力は社内のあらゆるところにかかってくる。その圧力が、半ば備品と同じように見られてきてもいるOSやオフィスソフトにかかっても何の不思議もないのだ。これまでは、「情報システム部門がクライアントPCのOSやオフィスソフトの主管になっているところが少ない」(同氏)だけに、そうしたことはあまり目に見えなかっただけと推測できるだろう。
OSSがもたらすメリットはさまざまあるが、その中でもわかりやすいのがコストの安さだ。OpenOffice.orgによるコスト削減は、その最たるものだと言えるだろう。アシストがOpenOffice.orgでビジネスを展開しようとしたのも、ここにある。絶え間ないコスト削減圧力という流れの中で、オフィスソフトも同様にコストを削減できるのはないかと早晩誰もが気付くことになる。アシストが狙ったのは、このポイントにある。
こうした同社の狙いは、サービス展開前の移行計画で計算されている。というのは、移行計画にあたり、同社ではどれだけのコストを削減できるかを綿密に計算しているからだ。
3年で1700万円を削減可能
同社では、Microsoft Officeを2009年6月にライセンス更新する予定だったのだが、もし250本まで削減できた場合、3年で1700万円のコストダウンを見込めるとの試算を明らかにしている。一般的な企業であれば、同社のようにユーザー企業へのサポートにMicrosoft Officeの環境を残す必要はない。さらに大企業であればあるほど、コストダウンの幅が大きくなることは容易に想像がつくだろう。
先に神谷氏が説明したように、オフィスソフトに対するコスト削減は同社の想像以上となっている。それは、同社が主催したユーザーイベントで行ったOpenOffice.org移行に関するセッションでの事後アンケートにも表れているようだ。
「なぜOpenOffice.org移行に関するセッションに参加したのか、という問いに対して、約2割の方が『部門や経営のトップの指示でOpenOffice.orgについて調べてくるように言われた』と答えています。それだけ多くの企業がOpenOffice.orgに潜在的に興味を抱いているということに驚かされました」(小川氏)
小川氏が言う「約2割」という数字を高いのか低いのか、どう見るべきかは難しいところだが、その興味の高さは確かに驚きを持って見るべきだ。「以前であれば、オフィスソフトの置き換えは絵空事でしかなった」(神谷氏)のは事実だが、今や「OpenOffice.orgの登場によって、それも現実的感覚としてとらえられるようになっている」(同氏)のも、また事実と言えるだろう。
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