Mozilla Foundationは、オープンソース開発の世界のさまざまな要素をやみくもにかき集めた「フランケンシュタイン」ではないと、同団体の最高経営責任者(CEO)のMitchell Baker氏が今週語った。
Baker氏は、オーストラリアのシドニーで開催された国際情報通信見本市CeBit Australia 2007で講演した。同氏は、オープンソースベンダーはある特別な目的のためにその場しのぎで設立された組織であるとの認識に対して異議を唱えた。また、セキュリティ問題についても触れ、2006年にMicrosoftのInternet Explorer(IE)が攻撃に対して無防備な状態に置かれた期間は285日間だったのに対し、Firefoxはわずか9日間だったと指摘した。
またBaker氏は、ZDNet Australiaが行ったインタビューの中で、Microsoftと、同社のコラボレーションの定義について批判した。
「Microsoftは、『コラボレーション』をカレンダーと電子メールの統合を意味する言葉として定義付けているが、『コラボレーション』ほど重要な単語あるいはコンセプトに対するMicrosoftのそのような定義付けを認めるべきではない。コラボレーションは、特にウェブ上で活動する膨大な数の人々にとっては、他に多くの意味を持っている」(Baker氏)
Baker氏は、Mozilla Foundationの創設とFirefoxウェブブラウザの開発こそ、コラボレーションによって生み出せるものの端的な例と考えているという。
Baker氏は、電子メールとカレンダーの統合について否定的な見解は述べなかったものの、Mozillaやその他のオープンソースプロジェクトが実証しているコラボレーションのレベルに比べれば、それら2つのソフトウェアの相互作用は見劣りすると指摘した。
またBaker氏は、ブラウザ分野における競争の激化を認めた。同氏によると、MicrosoftはFirefoxに注目しており、「ブラウザへの投資を再開している」という。
Baker氏は、「IEにわれわれ(のFirefox)にはない素晴らしい機能が少なくとも1つは搭載されることは間違いない。その点は前提として受け入れなければならないだろう」と述べた上で、次のように続けた。「大半の人々がFirefoxを気に入り、信頼している。その理由は、われわれのFirefoxの開発方法にある。われわれは、隠し事は一切ない。われわれは、自分たちの過ちを隠すことはできない。なぜなら、過ちはすべて公開されているからだ」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したも のです。海外CNET Networksの記事へ