「Google Chrome」が「OpenSSL」の使用を中止--「BoringSSL」に切り替え

ZDNET Japan Staff

2014-07-25 12:10

 「Google Chrome」の(開発者向け)最新バージョンで、セキュリティプロトコルを実装するソフトウェア「OpenSSL」の使用が中止され、OpenSSLからフォークした独自の「BoringSSL」へと切り替えられた。切り替えに関する詳細な情報は、Chromium Code Reviewsで確認できる。

 OpenSSLについては、いわゆる「Heartbleed」脆弱性が4月に発覚し、大きな話題を呼んだ。この脆弱性を突かれると、HTTPSを介して行われたクレジットカード決済の情報などのセキュアなメッセージの中身だけでなく、プライマリおよびセカンダリSSLキー自体も盗み見されてしまう可能性があった。またその後、中間者(MitM)攻撃を可能にしてしまう別の脆弱性も見つかり、パッチが提供されていた。

 こうした状況の中、Googleは6月にOpenSSLのコードベースをフォークし、「BoringSSL」という名称のプロジェクトを新たに立ち上げたと発表。このとき、GoogleのシニアソフトウェアエンジニアAdam Langley氏はブログへの投稿で「われわれは何年にもわたってOpenSSLに対してパッチを適用してきた。それらの中にはOpenSSLのリポジトリに取り込まれたものもあるが、多くはOpenSSLが保証するAPIやABIの安定性に沿っておらず、また少し実験的過ぎるものも数多くあった」と述べ、複数のプラットフォームをまたがって70以上のパッチを維持していくという状況は、「Chrome」と「Android」のための作業としては手間がかかりすぎるものになったとしていた。

 Chromium Code Reviewsには今回の切り替えについて「今回の変更は、diffファイルの内容から判断できる以上に規模の大きなものだ。何か問題が出てきた場合、まずは以前の状態に戻し、その後で質問するようにしてほしい」と書かれている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]