前回は、クロスサイトスクリプティング(XSS)について説明したが、今回はXSSと並び、話題となっているSQLインジェクションについて説明する。
2年前に立て続けにSQLインジェクションの脆弱性を攻撃された事件が発生したため、この言葉を聞いたことがある人は多いことだろう。それ以前は、SQLインジェクションの脆弱性を攻撃するには、SQLやプログラミングの知識が必要とされていた。
しかし、ちょうど3年ほど前に、SQLインジェクションの脆弱性を攻撃するためのツールが作成されたため、このツールさえ使えれば、誰でも簡単にアプリケーションを攻撃することができるようになった。その結果、2年前よりSQLインジェクションを利用した情報漏えいがたびたび発生することとなった。
SQLインジェクションとは、データベースを使用する場合に、任意のSQL文を実行させてしまう攻撃だ。このため、情報漏えいやデータの削除といった大きな被害をもたらしてしまう。
実際、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の「ウェブアプリケーションに関する脆弱性届出件数」を見ても、XSSに次いで2番目に挙げられている。
この脆弱性の検査方法を説明する前に、SQLインジェクションの仕組みについて説明しよう。
多くのアプリケーションでは、データをデータベースで管理し、SQL言語を用いて、管理しているデータを、検索、追加、更新、削除している。たとえば、検索を行うSQL文は以下のようになる。
この例では、userTableというテーブルから、userIDが「20070001」でかつ、passwordが「passwd」であると言う条件を満たすデータを検索し、userIDとuserNameの値を取得する。一般にアプリケーションでは、任意の条件で検索を実施するため、「20070001」や「passwd」といった条件として、入力データを使用する。
このとき、入力データをそのまま検索条件として使用していると、任意のSQL文が実行できてしまう。先の例であれば、検索条件として、userIDに「1 or 1=1 or 1=1」やpasswordに「' or 'a'='a」といった検索条件を入れることで、以下のようなSQL文が作成され、すべてのデータを取得することが可能となってしまう。
このように、入力データをそのままSQL文の検索条件や、追加/更新データなどに使用していると、本来の意図とは違うSQL文が実行されてしまう。先の例では、本来数値項目であるuserIDの検索条件に数値以外の文字が含まれていたり、SQL文で文字列定数の区切りを示す「'」をエスケープ処理せずに使用しているために意図しないSQL文の実行が可能となる。
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