世の中、勉強会流行りだ。そこに集う人たちは、何かを見つけ、自分をさらに高めようと活動しているのだろう。勉強は問題解決のためであり、目標実現のためであったりする。学生の時以上に、社会に出てからの勉強は自己実現を目指す上でも大切だ。仕事の中で、あるいは仕事以外の日常の中で、どのように勉強するかで「仕事力」にも差がついてくる。そしてそれは、長い時間をかけて生き方の差にもつながっていくのだと思う。そこで、本稿では、体験も含めて、大人になってから勉強するときの心構えついて考えてみた。
いままで踏み込んだことのない分野や手付かずの分野の場合、勉強するといっても、あまりにも範囲が広すぎて、どこから何を始めればいいのか分からないし、時間もない。そんなときは、その分野を上下挟み撃ちで攻める方法がある。
まず、初心者レベルの本や記事を斜め読みしてテーマの全体像をイメージする。いわば「瀬踏み」して、自分が渡るべき川の流れや深さを測り、どこから攻めていくかを判断するわけだ。自分が何を集中的に学ぶべきか分かったら、次に、できればオリジナルに近い理論の提唱者が直接書いた論文などを読んだり、本人の話を聞いたりする。勉強したいターゲットを絞り、その上流と下流両方から攻めることで、効率的に目標とする分野の知識を得られるはずだ。
私は昔、それまで苦手だった政治と経済を短期間で勉強しなければならなくなって、途方に暮れた経験がある。そこで、まず手始めに新聞の政治経済面を読みまくることにした。朝、1時間早く出社して、会社が購入している新聞5紙全部に目を通す。時間が限られているから、一所懸命、速く読む。それでも間に合わない時は、見出しだけでも読む。それを毎日繰り返した。読む速度は日々早まり、複数紙に目を通すことで、その日のニュースの注目度がレベル別に把握できるようになった。一方で、勉強会や研究会に参加して、学者や専門家の話を聞いた。一見、「手当たり次第」な方法に思えるが、最初はチンプンカンプンだったことも、メディア情報と合わせていくことで、3カ月もすると話の内容が自然と理解できるようになった。以来、短期間での知識習得には、この方法を使っている。
勉強で肝心なのは、知識のインプットと合わせて「アウトプット」も並行して行うことだ。これは、勉強の過程で本を読んだり、セミナーを聞いたり、調べたりして知り得た知識を、文章に書いたり、人に話したりすることで、自分が本当に理解できているかを確認するためだ。スムースに書いたり話したりできなければ理解していないということになる。それに、書くことや話すことによって、情報を整理できるし、自分の盲点も明確になる。そうしたら、ふたたび調査と学習に戻って、足りない部分を補っていく。
使わない知識は身に付かない。学んで使うことの繰り返しこそが、知識を高めるには効果的だ。このサイクルを作ることによって、学習効果のスパイラルは上昇していく。
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