#9:「4つのスイッチ」を使い分けて脳に弾みをつける
薬学者の立場から脳を研究している東京大学大学院薬学系研究科准教授の池谷裕二氏によると、もともと脳は飽きっぽいらしい。文字どおり「三日坊主」が脳の特質なのだという。これを解決するためには「脳をだます」しかないそうだ。
その1つのポイントが、「淡蒼球(たんそうきゅう)」という脳部位だと言う。淡蒼球は「やる気」や「気合」など日常生活で大切な基礎的なパワーを生み出すといわれているが、自分の意思で淡蒼球を働かせることはできない。ところが「4つのスイッチ」を使えば、淡蒼球を起動させることが可能だというのだ。
1つ目のスイッチは「Body(身体)」でカラダを動かすこと、2つ目は「Experience(経験)」でいつもと違うことをすること、3つ目は「Reward(報酬)」で文字通りご褒美を与えること、そして4つ目は「Ideomotion(観念運動)」で「なりきる」ことだという。
脳の情報処理というのはパラレルに行われる。常にモチベーションを維持できている人は、この4つのスイッチを無意識のうち巧みに使い分け、趣味や人との交流などを通じて、仕事や勉強にも「弾み」をつけているのだそうだ。
#10:振り返りのための時間を確保する
勉強する際、その実行に必要なのは、自分をマネジメントする仕組みだ。それには、やることを詰め込みすぎないこと。計画表は「やりたいことリスト」ではない。作業ごとに必要な時間を見積もって実行可能な計画が書かれていなければならない。
ときには、実行を妨げる壁が立ちふさがることもある。その場合は、やることが具体的でないために計画倒れになっていたり、計画自体が間違っていることもありえる。そんなとき、完璧主義はこの際忘れて、計画を修正すればいい。そのためには、突っ走るだけでなく、振り返りのために時間を確保することが肝心だ。
勉強で辛い時は、力んで、意固地に、頑固に「がんばる」だけでなく、ときには自分を解放し、肩の力を抜いてみる。それから、原点に立ち戻り、知りたい気持ちを思い出そう。そして1日10分でもいいから、途中であきらめずに勉強を続けることだ。「時間がない」を言い訳にはしないでおこう。