AIGエジソン生命保険は12月24日、情報セキュリティ強化、システム運用効率化、システム管理コスト削減を目的に、全営業社員の既存PCのシンクライアント化を決定したことを発表した。2010年6月までに全営業社員が使う約4200台を順次シンクライアント化を進めていく。
今回のシンクライアント化は、専用のシンクライアントを導入せずに、既存PCをVMwareの仮想PC方式で活用する。専用端末の全面導入に比べて、システム投資額を約30%圧縮できるという。シンクライアント化する端末には「Windows XP Embedded」、仮想PCには「Windows Vista」を使う。
今回のシンクライアント化投資額は約6億円で、全面導入よりも3億円削減できるとしている。また、PCを廃棄しないことから、環境負荷を必要最小限にとどめられるとしている。
PCをシンクライアント化することで、ローカルにはデータを保存できなくなり、端末を紛失、盗難されても情報漏洩にかかわるリスクを回避できる。ウイルス対策や不要なアプリケーションの実行防止などについても、サーバ側で一括管理することで、効果の高いセキュリティ対策を講じられるとしている。
PCのシンクライアント化とともに同社は、セールスフォース・ドットコムのサービスを2010年6月までに全社導入することも予定している。こうしたツールを活用することで、モバイル環境でも社内システムへのアクセスが容易になり、営業社員が常に最新情報に基づいた顧客対応が可能になると説明する。
ローカルで管理されていた各種情報は、サーバ側で一括管理することで、個々の営業社員で行っていた対応作業負荷を取り除くことも可能になる。従来のPC使用時に発生していた障害対応、端末修理対応、アプリケーションなどのシステム資産管理といったコストも削減できるようになる。
AIGエジソン生命では今回の導入を前に、システム開発担当者の開発用PCを順次シンクライアント化している。将来的には、全社員のPCをシンクライアント化していく予定としている。