「新発売のPCをブログでPR」「映画のキャンペーンにSNSを活用」・・・最近こんなニュースをよく目にしませんか? 総務省の調べによれば、2006年3月末のブログユーザーは約868万人、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)ユーザーは約716万人と推定されるそうです(関連記事)。日本のインターネット人口は7000万人前後と推定されているそうですから、ネットユーザーのほぼ10人に1人がブログ/SNSに登録している計算になります。
日本でもすっかり市民権を得た感があるブログやSNSですが、個人だけでなく、企業が活用する「コーポレートブログ/SNS」も増えています。それにはどんな背景があるのでしょうか。
ブログって何?
そもそもブログやSNSとは何なのでしょうか。本題に入る前に、簡単に確認しておきましょう。
まずはブログから。ブログとはウェブログ(weblog)の略で、ウェブ上で日記が書けるサービスとしてアメリカで登場しました。日本でも以前から同じようなサービスが存在していましたが、ブログが単なる「ウェブ日記」と異なる点として、3つのポイントが挙げられます。
最初のポイントは、コメントやトラックバック機能の存在です。ブログはコメントやトラックバックを通じて、作者が容易に読者とコミュニケーションできることが特徴です。特にトラックバックはブログが初めて実現した機能で、簡単に言えば「他人のブログ上に自分のブログへのリンクを自動的に貼ってもらう」というものです。これにより、「あなたの記事を私のブログで紹介しましたよ」というお知らせや、「この記事を読んだ人には、僕のブログもぜひ読んで欲しい!」といった呼び込みが簡単にできるようになっています。
2番目のポイントは、パーマリンク(permalink)の存在です。ブログには大きく分けて2種類のURLがあります。ブログを構成する個々の記事に設定されたURLと、個々の記事を集約したページ(トップページや過去記事のまとめページなど)の2つです。パーマリンクとはこのうち前者を指す言葉で、ブログによっては「個別リンク」などと表現される場合もあります。
パーマリンクは何のために存在しているのでしょうか。従来のウェブサイトでは、内容を更新すると、URLと記事の中身(コンテンツ)がバラバラになってしまうという問題がありました。例えば「○○テレビが買収された」というニュースがあったとすると、今日はAというURLだけれど、明日はBというURLになってしまうかもしれない、といった具合です。これでは他のサイトから正しいリンクが貼れなくなってしまうばかりか、検索エンジンも正しいページを見つけにくくなってしまいます。しかしパーマリンクの下では、あるURLとコンテンツの結びつきは変わることがありませんから、他のサイトや検索エンジンからのアクセスが非常にしやすくなります。
3番目の特徴は、RSSの存在です。RSSとはブログが更新されたことを通知する機能で、読者はサイトにアクセスしなくてもお気に入りのブログをチェックすることができます。実はもっと別の目的のために生まれた技術なのですが、ブログでは主にこの目的で使われています。
ブログを更新すると、私たちが通常目にするページと同時に、裏で「機械が読むためのページ」が更新されます。それがどんな内容かご覧になりたい方は、ブログにある「RSS」もしくは「XML」と書かれたアイコンをクリックしてみて下さい。この機械用ページをRSSフィードと呼び、RSSリーダーというアプリケーションによって人間が読むページに翻訳されます。RSSリーダーは自動的にRSSフィードの更新を確認してくれるので、ブログに投稿された新しい記事を漏らさずチェックすることができるのです。