6月30日はMicrosoftがWindows XPを段階的に廃止し始める日である。これは同オペレーティングシステムのコピーを新マシンのプリロード用にPCメーカーや小売業者にもはや提供しないことにより実施する。この日はまた(最近のNew York Timesの論説のおかげで)Windowsの次には何が到来するのかと将来のことを考え始めるのによい機会でもある。
この答えは、MicrosoftのEric Rudders氏によるミステリアスな「Midori」プロジェクトかもしれない。
まずは背景となる話から:サンノゼ州立大学のRandall Stross教授が「Windows Could Use a Rush of Fresh Air」と題するTimesの記事で指摘しているように、Windowsは大きすぎて扱いにくくなっている。だからMicrosoftはこの数年間、Windows内の依存度を削減しようと取り組んでいるのだ。そしてそれこそがMicrosoftのCoreチームが構築した(そしておそらくWindows 7のコアには置かれないと思われる)Windowsコアのスリムダウン版「MinWin」なのである。
Microsoftはまたこの数年間、Windowsベース以外のオペレーティングシステムがどんなものとなるかを研究し続けている。最近「1.0」を成し遂げたこのプロジェクトのコード名は「Singularity」という。
Singularityチームはその使命を以下のように説明している:
「Singularityプロジェクトはデザインの決定と既存のシステムやソフトウェアスタックでますます明らかにされている欠点を再検討するために2003年に開始した。これらの欠点には次が含まれる:広範なセキュリティの脆弱性、予想外のアプリケーション間の相互作用、そして誤った拡張やプラグイン、ドライバ、認知されたロバスト性の欠如が引き起こした不具合。これらの問題の多くが1960年代と1970年代のコンピュータの構造やプログラミング言語からさほど進化していないシステムが原因となっていると考えている。その時代のコンピューティング環境は今日とは非常に異なるものであった…。」
Microsoft関係者が述べたとおり、Singularity――管理コードとして書かれたマイクロカーネルベースのオペレーティングシステム――は研究を目的とするものだ。Microsoftがこれを商用化する計画はない。
しかしMicrosoftが公に述べていないことは――拙書「Microsoft 2.0」で筆者は言及しているが――MicrosoftがSingularityの派生品に取り組んでいるという点だ。このコード名は「Midori」と呼ばれ、この先いつか日の目を見ることになるかもしれない。Microsoft 2.0からは以下の通り:
「Microsoftでは(Singularityに)関連した開発中の極秘プロジェクトがあるようだ。コード名「Midori」と称する同プロジェクトは、新しいMicrosoftのオペレーティングシステムプラットフォームであり、Windowsの座を奪うと言われている。Midoriはインキュベーション中である。これはMicrosoft Researchのプロジェクトの多くと比べるとやや市場に近いが、なんらかの初期プレビューの形として提供されるほど近くはないことを意味する。
「またMidoriについて興味深いのは、このプロジェクトを運営しているのが誰なのかという点だ。かつてGates氏の後継者と予想されていたEric Rudder氏がこの取り組みを率いている。MidoriはChief Research and Strategy OfficerのCraig Mundie氏の部門においてインキュベーション中である。あるMicrosoftの垂れ込み屋は、『彼の下に(Midoriに関してRudder氏の下に)いる誰もが長年のベテランで、素晴らしく高級な肩書きがついており、彼らがそれぞれのルーツに戻り、おそらくかつて従事していたようなコードを書いている』と筆者に伝えた。
「MicrosoftがいつどのようにしてMidoriを開始するつもりなのかは依然として謎である。しかし同社は本プロジェクトにかなりの時間、人員、資源を捧げるほど真剣に考えているようにみえる。」
今年に入ってSingularityチームにMidoriについて質問しようとしたが、非常にナーバスな様子で「ノーコメント」との回答を受け取った。
誰かMidoriが何であるのかをもっと分かち合いたい人はいないか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ